キーポイント:
ウォール街の取引開始後、ビットコイン価格の下落が加速。「10万4,000ドルでラグプルの可能性」との警告も
ビットコイン強気派は、急落トリガーに対するパニック反応を極力回避
3年ぶりの安値をつけた米ドルに反発の兆し
2024年6月17日、ビットコイン(BTC)は10万5,000ドルを割り込んだ。アナリストらは「大きな値動きはまだこれからだ」と警戒を強めている。
「ビットコイン価格の大きな動きが醸成されつつある」— トレーダーの見解
Cointelegraph Markets ProおよびTradingViewのデータによれば、BTC/USDはウォール街の取引開始後に日中最安値となる10万4,401ドルを記録した。
11本連続で1時間足が陰線となる珍しい展開となり、強気派は完全に抑え込まれた格好だ。オーダーブックの分析では、下落が連鎖する可能性も示唆されている。
「これが$BTCオーダーブックにおける操作の典型例だ」と、トレーディングリソースのマテリアル・インディケーターズはXに投稿し、価格下落に伴う買い注文の流動性変化に言及した。
「10万5,000ドルを下抜けた場合、10万4,000ドルでラグプルが起こる可能性に備えるべきだ」
コインテレグラフの過去記事でも報じられている通り、「スプーフィング(見せ板)」と呼ばれるこのような流動性操作は、仮想通貨市場では大口トレーダーが価格の方向性に影響を与えようとする際に頻繁に見られる現象だ。
マテリアル・インディケーターズは前日に次のように「強気派が10万8,000ドルを突破できれば、10万1,000ドルへの道が開ける」と述べていた。
人気トレーダーのSkewも、市場全体の強さについて比較的楽観的な見解を示した。地政学的な緊張が高まる中でも、今回のビットコイン市場では、過去の下落局面と比較してトレーダーの冷静さが維持されているという。
ただし、Skewは「今回の調整は約3%程度にとどまっているが、市場にパニックは見られない。短期的にはヘッジバイアスが明確になっている。過去の下落時は5%前後で、積極的なショート、現物売り、出来高・売り圧力の増加が見られた」と依然としてボラティリティの拡大を警戒している。
「つまり、まだ“大きな動き”は起こっておらず、今まさに醸成されつつある」
「売られすぎ」の米ドル、反発の兆し
金価格が下落し、米ドルが強気のダイバージェンスを示しているなか、中東情勢に対する市場の見方は冷静さを保っている。
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トレーディングリソース「The Kobeissi Letter」は、Xでの継続的な分析の中で、「金は堅調に見えるが、一貫したメッセージを発している。それは『第3次世界大戦が近いわけではない』ということだ」として、イスラエルとイラン間の緊張が世界大戦に発展するとの見方を否定した。
「イスラエルとイランの攻撃が続くなかでも、原油価格は本日約2%上昇。一方、10年債利回りは4.50%に迫っている。市場は、これが長期的な逆風になるとは見ていない」
ビットコインと逆相関関係にあることが多い米ドル指数(DXY)は、数年来の安値からの反発を示唆している。
「資産運用会社は米ドルに対して極端なショートポジションを取っている。これほどまでに売られていた前回、DXYは大きな反発を見せた」と、トレーダーで市場ストラテジストのギリェルメ・タヴァレス氏は述べた。
「さらに、DXYは重要なサポート水準付近で取引されており、RSI(14)は深く売られすぎの水準にあり、強気のダイバージェンスを示している」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。