著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
9月第4週のビットコイン(BTC)対円相場の週足は、前週比4,878円(0.43%)安の1,139,379円と小幅に反落したものの、週安値の1,072,111円からは67,268円(6.27%)戻し、長い下ヒゲを付けた「トンボ」が出現している。
先週は、米株の急落に伴うドルの上昇が相場の重石となり、週明けから週央にかけて安値を広げる展開となったBTCだが、24日のチェーンリンク(LINK)の急反発で市場全体が切り返し、BTCも週安値圏から反発。しかしその後もドル高基調が続いた影響で金相場も軟調に推移し、25日以降の週末も勢いは続かず上値は限定的だった。
週末26日には、シンガポールの大手暗号資産(仮想通貨)取引所、クーコインから1.5億ドル相当のBTCとイーサリアム(ETH)の不正流出が報告されたが、市場への影響は極めて限定的で、市場ではこうした取引所のセキュリティー脆弱性とブロックチェーンのセキュリティーは別物という認識が進んでいる模様だ。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成