著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
10月第2週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比74,117円(6.58%)高の1,200,956円と3週ぶりに反発し、終値で節目の120万円を回復(第2図)。日足では、7日から5日続伸しており、チャート上では保ち合いの上放れに成功した(第3図)。
先週は、トランプ大統領が経済対策案の協議を巡り、自身が選挙で勝利すれば迅速に大規模な刺激策を通過させることを引き合いに現時点での協議停止を指示したと発表したことで、6日の相場は米株式市場のリスクオフに連れて下げ足を速めたが、トランプ氏がその直後に態度を一変させ包括的な経済対策案の合意を促したことで、BTC相場も下げ止まった。ペロシ民主党下院議長とムニューシン財務長官の協議はその後も続き、9日時点で進展は見られなかったものの、トランプ氏の態度軟化で市場のリスク選好は回復していった。
加えて、8日NY時間にはツイッターのジャック・ドーシー氏率いる米電子決済のスクエア社が、5,000万ドル相当のBTCを購入したとの発表が転がり込み、マイクロストラテジー社に続き米上場企業によるBTC購入が好感され、BTC相場の上昇に拍車をかけた。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
第2図:BTC対円チャート 週足 出所:bitbank.ccより作成
第3図:BTC対円チャート 週足 出所:bitbank.ccより作成