著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
先週(9日〜15日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比74,100円(4.63%)高の1,673,100円と6週続伸。週足が上昇を開始した10月5日の週からは約55万円(48%)値上がりしている。
先週は、ファイザーのコロナワクチンの朗報で週初に安全資産に強い売りが入り、リスク資産でありながら金相場との相関も意識されるBTCは週明け9日から乱高下する展開。幸い、この日はドル円相場が急反発(ドル高円安)となったことで、BTCの対円相場は円安に支えられ、160万円周辺で粘り腰を発揮し、その後はハッシュレートの回復やドラッケンミラー氏がBTC保有の事実を公表したことで買いが入り、相場は保ち合い上放れで16,000ドル水準の168万円を突破、13日にはペイパルの暗号資産(仮想通貨)売買サービス開始のアナウンスも材料視され、170万円台に乗せた。
一方、13日からはハードフォークを15日に控えたビットコインキャッシュ(BCC・BCH)に売りが入り、HuobiグローバルでBCCの強制決済が実行される30分ほど前からBCC相場は崩れ始めた。これを皮切りにBTC相場の上昇も失速したが、165万円(≒15,800ドル)がサポートとなり、週末の相場は上値を重くするも下げ幅は限定的だった(第2図)。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
第2図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成