著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
4日のビットコイン(BTC)対円相場は173,903円(3.22%)安の5,234,182円と反落し、前日の上げ幅を掻き消した。
前日3日のBTC相場は、米株先やアルトコイン相場の上昇を追い風に、一週間ぶりに50,000ドル(≒540万円)を回復し先月25日の高値(554.5万円)を上回る場面もあったが、この日発表されたADP雇用統計が市場の拡大予想に反して前月比で伸びが鈍化する結果となると、一変して売りが膨らみ反落。相場は短期レンジの上方ブレイクに成功したかと思いきや、これによりレンジ内に押し返された(第2図)。
昨日の東京市場のBTC相場はレンジ上限で戻り売りが入り一段安。その後は530万円を挟み込み不安定な値動きが続くも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がこの日出席したイベントで、米国債利回りの上昇を静観する姿勢を維持すると、米長期金利は上昇し、これに伴う株安に連れてBTCはさらに一段安となった。株式市場での直近のボラティリティ上昇を懸念して、パウエル議長からは金利に対するスタンスに変化が見られるか期待感があったが、昨日のパウエル議長の発言は失望感を誘う結果となった。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
第2図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成