著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
7月第4週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比64,701円(+ 6.55%)高の1,051,976円と6週間ぶりの高値に浮上。この週は、グレイスケールのビットコインキャッシュ(BCC)とライトコイン(LTC)信託が米金融取引業規制機構(FINRA)の承認を受けたことや、イーサリアム(ETH)セレニティーアップデートのフェーズゼロ(ビーコンチェーン)テストネットの8月上旬公開予定が発表され、時価総額上位アルトコインを中心に買いが入った。これまでチェーンリンク(LINK)が主導してきたアルトコイン高に今一つ追随できていなかったBTCだったが、相関性の強いETHとBCC相場の上昇や、21日の欧州連合(EU)の新型コロナ復興基金設立合意を切っ掛けに100万円を上抜けした。更に22日には、米通貨監督庁(OCC)が連邦政府公認の銀行に暗号資産(仮想通貨)カストディー提供の青信号を出したことが材料視され、102万円台を奪回。24日の相場は若干押すも、ハッシュレートの過去最高値更新、米中関係悪化を受けたリスク回避の動きや、ETH相場上昇の継続により、週末のBTC相場は上値を追う展開となり対ドルでは6月10日ぶりに心理的節目の10,000ドル(≒106万円)を上抜け10,150ドルにタッチ。足元では利食いが入り9,900ドル(≒105万円)台で推移している。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成