仮想通貨(暗号資産)取引所バイナンスは、ちょうど2年前にトラストウォレット(Trust Wallet)を買収した。トラストウォレットはこの短い期間の中で、このサービスは500万ユーザーにまで増やし、そして急成長する分散型金融(DeFi)セクターに拡大している。

500万ユーザーというマイルストーンに加えて、トラストウォレットによれば、この急速に獲得されたユーザーベースの10%が様々な分散型アプリ(DApp)やDeFiプラットフォームにアクセスしているという。仮想通貨投資家はDeFiプラットフォームから利益を得る「イールドファーミング」に積極的であり、このセクターは今後も拡大すると期待されている。

DeFiプロトコルとの統合

トラストウォレットは、急速に拡大するDeFiエコシステムに対応するため、カイバー(Kyber)などのトークンスワッププラットフォームと独自の分散型取引所バイナンスDEXを統合している。

Androidバージョンのウォレットには、DeFiの世界へのフルアクセスを提供する仕組みのdappブラウザーや、Aaveやコンパウント(Compound)などの多くのポピュラーなプロトコルがある。またQRコードをスキャンしてエンドツーエンドの暗号化を使用してDAppをモバイルウォレットにリンクさせる「ウォレットコネクト」と呼ばれるオープンプロトコルを使用している。

トラストウォレット創業者のヴィクトル・ラドチェンコ氏は、トラストウォレットのiOSアプリとAndroidアプリの両方により多くのDeFiプロトコルを統合し、流動性を高め、流動性プーリングおよびレンディングプロトコルへのアクセスを提供していく計画だと、コインテレグラフに語っている。またプロトコルがネイティブに統合されることで、ユーザーにとってより安全で直観的になると、ラドチェンコ氏は付け加えている。

シンプルさを保つ

DeFiセクターの爆発的な成長について、ラドチェンコ氏は次のように述べている。

「現在、DeFiは間違いなく活況を呈している。新しいプロトコルの開発は順調に進んでおり、開発者はその上にさらに多くの金融アプリケーションを構築するためのアクセスを提供している。これは、分散型プロトコルがコミュニティ主導のプロトコルを構築するためのガバナンスプロセスを構築する絶好の機会でもある」

ユーザーベースの拡大については、「シンプルさを保つ」ことが重要であると、ラドチェンコ氏は付け加えている。同氏は今後数年間、仮想通貨ユーザーのほとんどのニーズを満たすDApp機能を追加することも優先事項であると述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン