仮想通貨取引所バイナンスの米国子会社は7日、最大6.0%の年率利回りを持つイーサリアムのステーキングプログラムを導入すると発表した。32イーサ(ETH)を必要とするイーサリアムネットワーク上の直接ステーキングとは異なり、バイナンスUSが導入する新サービスでは0.001ETHから始めることができる。
今回の展開について、バイナンスUSのCEOであるブライアン・シュロ―ダー氏は、次のように述べている。
「ETHは、より広いWeb3エコシステムにおいて重要な役割を果たしている。イーサリアムネットワークがマージに向けて移行を進めている中、業界で最も高いAPY(年間利回り)報酬でETHステーキングを提供できることを嬉しく思う」
バイナンスUSの自動再ステーキングなどの機能により、リターンの複利計算が可能になったことも、ステーキングの利回りを後押ししている。ただし、現時点ではユーザーがETHをアンステーキングすることはできず、報酬はまずイーサリアムが9月15日に予定されている「マージ」アップグレードによってプルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロックチェーンからプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行するまで配布されない。その後、マージの成功を条件とした将来の「Shanghai(シャンハイ)」アップグレードによって、ユーザーはステークしたETHを引き出すことができるようになる。
アップグレードの内容は複雑であるため、移行がスムーズに行われる保証はない。そのため、ユーザーの資金は、アップグレードに失敗した場合、資金の返還が長引いたり、元本割れを起こすなどのリスクがある。バイナンスUSは、ステーキングした投資家が取り戻せるETHの最終的な金額をコントロールできないとしている。