バイナンス共同創業者チャンポン・ジャオ(通称CZ)氏のファミリーオフィスであるYZiラボが、BNBへのエクスポージャーを提供する新たなトレジャリー企業を支援する予定であることが明らかになった。この企業は米国での上場を目指している。

YZiラボ(旧バイナンスラボ)は9日、投資会社10XキャピタルによるBNBを大量に保有するトレジャリー企業立ち上げを支援すると発表した。この企業は「米国の主要な取引所」での上場を目指すとしている。

新会社は「BNBトレジャリー・カンパニー」とだけ明記されており、CEOには10Xキャピタルのシニアパートナーであり、ギャラクシー・デジタルの共同創業者でもあるデイビッド・ナムダー氏が就任する予定だ。10Xキャピタルはこの新会社の資産運用を担うことになる。

この動きは、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を大量に保有する企業が登場し、ウォール街が仮想通貨へのアクセス手段としてそれを利用するというトレンドの一環といえる。

BNBは、バイナンスが発行したトークンで、同取引所での取引手数料割引などの特典が付与される。2019年にはBNBチェーンという独自ブロックチェーンも立ち上げられており、BNBはその中核トークンでもある。

YZiラボの責任者エラ・チャン氏は、「BNBチェーンは最も広く採用されているブロックチェーン・エコシステムの一つだ。機関投資家によるアクセス拡大は、より広範な社会に利益をもたらす」と述べている。

10Xキャピタルの創業者兼CEOであるハンス・トーマス氏も、BNBチェーンが「世界最大級かつ高性能なデジタル資産エコシステム」であり、「数億人規模のユーザーを抱えているにもかかわらず、米国の機関投資家や個人投資家のアクセスは限られている」と指摘する。

発表によれば、この新会社は数週間以内に関連する資金調達の完了を発表する予定だという。

BNBとバイナンス、CZ氏の関係

取引所発行型トークンは、仮想通貨取引所を支援する手段と見なされることが多く、こうしたプラットフォームにとっての主要な資金源にもなっている。

BNBはバイナンスによってローンチされ、BNBチェーンも同取引所によって立ち上げられたが、現在バイナンス自体はトークンやブロックチェーンの開発には関与していないとされる。

しかし、ジャオ氏は2025年2月に、自身の仮想通貨ポートフォリオの98.5%がBNBで構成されていると明かしている(保有額の具体的な数字は非公表)。

フォーブスの2024年6月の報道によると、ジャオ氏とバイナンスの2者はBNBの流通量のほぼ96%を支配しているという。具体的には、ジャオ氏が保有するBNBは9400万枚で、評価額は約630億ドルに達し、流通量の64%超を占めているとされる。バイナンスが保有する分は31.5%にのぼる。

なお、ジャオ氏はマネーロンダリング規制違反で有罪となり、その際の合意の一環としてバイナンスの経営からは退いたが、依然として最大株主である。

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仮想通貨を買い支える企業の動きが拡大

ビットコインを大量保有する企業はこれまでにも存在したが、最近ではBNBのようないわゆるアルトコインを購入・保有する動きも目立ってきている。

ナスダック上場企業である中国の半導体設計会社ナノラボは、先月末に最大10億ドル分のBNB購入を計画していると発表し、今月初めに5000万ドル分を購入したと報告した

また、シンガポールのWeb3企業トライデント・デジタルや、中国の自動車メーカーWeBusなども、XRPを数億ドル単位で購入・保有する意向を示している。

CZ氏は9日にXへ投稿し、「BNBトレジャリー上場会社をやりたがっているチームは30以上ある」と述べている。

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