過去1週間で仮想通貨が集中型取引所から急速に流出しているデータが示されているが、バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)はそれほど悪い状況ではないと主張している。
NansenやDefiLlamaといった主要な分析プラットフォームは、米証券取引委員会(SEC)のバイナンスに対する訴訟のニュースが伝わった後、過去7日間でバイナンスからの資金流出が増加していると指摘している。
Nansenによれば、過去7日間でバイナンスから約23億6000万ドルの純流出があり、バイナンスUSからも約1億2370万ドルが流出している。DefiLlamaは、バイナンスからの流出額がさらに大きな33億5000万ドルと報告している。Glassnodeのデータでは、過去7日間でバイナンスのBTC残高が5.約10億ドル減少している(5.7%減に相当)。

しかし、CZは6月10日のツイッター投稿で、運用資産の変化を「流出」として測定するサードパーティ分析があるため、一部の取引所の流出データが歪んでいる可能性があると主張した。「これには、仮想通貨価格の下落(AUMの減少を引き起こす)が『流出』として含まれる」と彼は語っている。
CZは、6月9日の過去24時間で同社の流出額は約3億9200万ドルであり、昨年11月にFTX破綻時に記録された1日の流出額70億ドルと比べるとはるかに少ないと主張した。CZはさらに、ボラティリティの高い時期には大量の資金の流入と流出が当然のことだと説明した。「今日のような急激な価格変動の日には、多くのアービトラージトレーダーが通常の日よりも指数関数的に多くの資金を取引所間で移動させる」と彼は述べた。
SECが6月5日にバイナンス、6日にコインベースに対して訴訟を起こして以降、仮想通貨市場全体の時価総額は7%、約800億ドル以上減少している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン