イラン政府は、今年5月にロウハニ前大統領によって課された仮想通貨マイニング禁止措置を解除し、操業再開を許可した

イランでは、電力需要のピークとなる夏の時期に、国内で消費される電力を確保することを目的として、マイニングの禁止措置を実施していた。

イランでは夏の猛暑を受け、広範囲にわたって停電も発生した。イランでは今年摂氏49度の気温も記録した。

イランでは大統領選挙を経て、ロウハニ氏からライシ氏に交代。夏の電力需要期も過ぎたことから、仮想通貨マイニング措置が解除された。

世界の仮想通貨マイニングの4.5%から7%がイランで行われていると推定されている。天然ガスなどの資源が豊富なイランでは世界の中でも電気料金は低い水準にあることが、マイニング産業を後押ししている。

また米国からの経済制裁を回避する手段として、イランがビットコインマイニングに好意的な姿勢を取っているとの指摘もある。ブロックチェーン分析企業Ellipticは、イランがビットコインマイニングから年間10憶ドルの収益を上げていると推定している。

ただ禁止にも関わらず、当局から隠れたマイニングは行われていたようだ。今週、テヘラン証券取引所の幹部が、禁止期間中に仮想通貨マイニングをしていたことが発覚し、辞任したと地元メディアが報じている