マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、新型コロナウイルスの米国経済への影響について「経済は戻ってくるだろうが数年はかかるだろう」と予想した。
米CBSのインタビューに4月2日に答えたゲイツ氏は、経済は戻ってくるだろうがそれにはワクチンの開発が必要だと指摘した。
「経済は戻ってくるだろう。ほぼ全ての仕事に人々が戻るようになり学校が再開したら回復が見られることになる。以前の状態に戻るには数年間かかるかもしれない。経済的なショックは大きい。我々から不安を取り除いて行動を変えなくて済むようになるには、ワクチンが必要だ」
またゲイツ氏は、今後、アフリカなど新興国で新型コロナウイルスが拡大することを懸念。社会的な距離を取りにくく医療が発達していない新興国では先進国より新型コロナウイルスを抑え込むのが難しいとみている。同氏は「地球からウイルスを一掃することが大切だ」と強調した。
さらにゲイツ氏は、今回の教訓を生かして人類は次のパンデミックにも備えるようになるだろうと述べた。
ビル・ゲイツと新型コロナウイルス
ゲイツ氏は、4月6日、ワクチン開発のために自身が共同代表を務めるビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて工場7カ所の建設費として数十億ドルを出すと発表。同財団は3月、治療薬開発に1億2500万ドル(約136億円)を拠出すると発表していた。
ゲイツ氏は、5年前の2015年4月3日、「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来ても我々の準備はできていない」と講演の中で発言。2020年の新型コロナウイルスのような感染症の大流行に早くから危機感を示していた。