日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)とブロックチェーン推進協会(BCCC)は27日、仮想通貨とブロックチェーン技術の普及促進を目指し、連携体制を構築していくことを発表した。両協会が開催する部会への相互参加・交流や、仮想通貨・ブロックチェーンの社会への啓発活動などを推進していく。

27日に両協会が連携に関する協定を締結し、記者会見を行った。JCBAの奥山泰全会長(マネーパートナーズ社長)は「依然として、社会の中では仮想通貨に対する誤解や偏見も多い」と指摘。両協会が連携して、企業への正確な情報発信や社会への啓発活動を進めていく考えだ。

具体的には、JCBAが運営するセキュリティ部会やBCCCのリスク管理部会といった各部会間での交流促進や広報活動での連携、両協会での知見共有を進めていく。また社会への啓発活動の一環として、来年中に大規模なイベントを共催する考えだ。

JCBAの奥山氏は、「(JCBAとBCCCが)『業界の健全な育成を目指す』というビジョンを共有しており、当初より積極的な情報交換を行ってきた」と、今回の連携の背景を説明。奥山氏は「2018年は仮想通貨の流出事件や大幅な下落で、世界的な関心は一定程度下がったが、将来の重要性が損なわれたわけではない」と強調した。

仮想通貨を巡る制度整備や各企業の体制構築が進み、2019年以降も仮想通貨やブロックチェーンの社会実装が進展していく。…社会への啓発活動をより大きなスケールで進め、健全な業界育成に寄与したい

日本の仮想通貨を巡る状況について、奥山氏は「この1年は大変な1年だったが、これから発展していく市場であればこそ、早く再スタートを切ることができた」と振り返る。来年については「心機一転の出直しの年になる」と語り、「マネーゲームではなく、(仮想通貨が)実用的に使われるようにしたい」と話す。

BCCCの平野洋一郎会長(アステリア社長)も、「(仮想通貨の)流出事件や価格の下落は、仮想通貨やブロックチェーン自体の欠陥や不備ではない」と強調。来年以降もブロックチェーンの市場規模は拡大していくとし、「健全な形で業界を盛り上げていく」と語った。

BCCCとして2つの新しい部会を設置し、活動を拡大していく考えを示した。また企業活動での利用を想定し、BCCCが開発した価格が安定した仮想通貨「Zen」は、2019年に第2フェーズの社会実験を進めるという(第1フェーズは2017年に実施)。第2フェーズではパブリックブロックチェーン上での実装などを実現したいとしている。