レイヤー1のブロックチェーン「アバランチ」運営元アバ・ラボズの創設者でCEOのエミン・ガン・サイラー(Emin Gün Sirer氏)が、仮想通貨インフルエンサーに対する名誉毀損訴訟で勝訴し300万ドルの賠償金を獲得したようだ。

この訴訟は、2021年2月に仮想通貨インフルエンサーのEmre Aksoy氏が投稿したユーチューブ動画がきっかけとなっている。

仮想通貨インフルエンサーが投稿した動画は、サイラーCEOをイスラム教テロ団体に関連付けていた。動画はサイラー氏がその団体のメンバーであると主張し、アバランチ(AVAX)トークンを売るように扇動。サイラー氏はこの名誉毀損によってAVAXの価格が急落したとしている。トークンは2021年2月11日の55.51ドルの高値から月末までに57%下落し、23.85ドルとなったという。

この事件以来、トルコ系アメリカ人であるサイラー氏はトルコ入国の際恐怖や不安を覚えることになったという。

今回裁判で明らかになったのは、この仮想通貨インフルエンサーは、アバランチと競合するプロダクトを宣伝するために報酬を受け取っていたという点だ。

(コインテレグラフは、同仮想通貨インフルエンサーにコメントを求めたが、記事公開時点までに返答は得られなかった。)

結果的にサイラー氏は「セキュリティ費用のための特別損害賠償」、「被告による悪質な行為を抑止するための懲罰的損害賠償」等で300万ドルをうけとることになった。

仮想通貨分野に限ったことではないが、影響力をもつインフルエンサーによる発言をそのままうけとることのあやうさを認識する必要がある。

<終>