オーストラリア証券取引所(ASX)は3月25日、コロナウイルスの世界的な大流行の影響などを考慮し、ブロックチェーンシステムの導入を延期すると発表した。新たな導入日程を6月に再検討するとしている。これまでは2021年4月に予定していた。
ASXは、2017年12月からブロックチェーンインフラの開発に取り組んでいる。現行の決済システム「CHESS(クリアリング・ハウス・エレクトロニック・サブレジスター・システム)」から分散型台帳技術へ移行する予定だ。
ただ今回、新型コロナウィルスの流行により、ASX側の開発に影響が及んでいる。
「ASXを含む業界の多くの企業では在宅勤務のスタッフが大部分を占めており、今年後半に調整されていた準備活動に参加できるかどうか不透明だ」
さらにコロナウイルスの影響以外にも延期の要因となるものがあるとしている。
機能面やCHESS切り替えのタイミングに関して過去3年間に渡る市場ユーザーからの意見で、一部ユーザーは延期すべきでないとしているものの、もっと準備期間を設けるべきとの声があったとしている。
ASXは、CHESSの切り替えは延期したが、開発者向け業界向けテスト環境(ITE)に関しては、今年7月公開目標のままだと述べている。ピーター・ハイオムCEOは、以下のように述べている。
「ASXは、引き続きCHESS切り替えに完全にコミットメントする。我々は、システム開発とテスト、バックオフィスソフトウェア開発者のサポートを含む同プロジェクトを進め、(中略)我々が新たなシステムおよび分散型台帳技術向けに実施する投資は、金融サービス業界およびオーストラリア経済の長期に渡る利益に向けたものだ」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン