14時17分時点の豪ドル円は73.78円。NY市場の終値に比べて21銭ほどの円安になっている。

昨日の豪ドル円は73.36円まで売られ、約1カ月ぶりの安値となった。9時30分に発表となった10月の雇用者数が予想の1万5,000人に対して-1万9,000人と3年ぶりの弱い数字になったことや、11時発表の中国鉱工業生産や小売売上高が予想を下回ったことが原因だ。

オーストラリアの雇用者数は、数値が上昇傾向にある場合は労働市場が強いことを示し、消費支出や景気にも好影響を与える。しかし、昨日は予想を大きく下回ったので、豪ドルの売り材料となった。

しかし、日本時間の15日朝にクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「中国との通商合意は近づいている。これまでの協議は極めて建設的」と発言したことからNYダウ先物が100ドル近く上昇するなど、リスクオンの流れとなっている。

ただ豪ドル円の上値は重い。昨日の雇用者数減による追加利下げ観測が強まったからだ。また、雇用者と同時に発表された失業率は5.3%。予想通りの結果となったが、前回の5.2%から上昇している。RBA(オーストラリア準備銀行)が望ましいとする4.5%から遠のいたことも利下げ観測が強まる要因となっている。

テクニカル分析

豪ドル円予想レンジ 73~74円

本日は、リスクオンの流れを受けて73.85円まで上昇したが、100日移動平均線(73.68円)前後での推移。昨日の安値73.36円を割り込むと節目の73円が意識されるだろう。豪ドル円も下値警戒が必要だ。