スロバキアのブロックチェーンスタートアップが、中央および東ヨーロッパ(CEE)におけるパンデミック中のベンチャーキャピタル開発の主要事例の役割を果たしている。ロイターが7月31日の新たな記事で報じた。
19年にはベンチャー投資が16億ドル近くに達した旧東欧圏では、新型コロナウィルス(COVID-19)危機の間の先行き不透明感がスタートアップ分野に大きな打撃を与えた。中でも、アーリーステージ投資に関してはその影響が顕著である。
デジタル資産を取引するためのオンラインプラットフォームを開発しているスロバキアのスタートアップ企業アルフティンズは最近、公的資金を受けたベンチャー企業クラウドベリーからの資金調達を確保した。クラウドベリーは昨年秋に今回と同様の契約を結ぶチャンスを逃したものの、報道によれば、今回はより良い条件を確保できたという。
アルフティンズのリチャード・フェティコ創業者はロイターに対し、クラウドベリーからの資金調達の確保は、公的支援を受けたベンチャーキャピタルがパンデミックの影響を乗り越えようとしている業界の支援に乗り出そうとしているように見えるこの時期において、「最も楽な方法」だったと話した。
クラウドベリーのパートナーの1人ミハル・ネスポル氏は、「新興企業の多くは、それらの資金を活用する以外に選択肢がないだろう。なぜなら、民間資金はパンデミックのため非常に慎重になるだろうから」と認めた。
クラウドベリーのようにCEE地域で公的支援を受けるVCファンドの背後にある資本の大部分は、欧州投資基金がその源となっている。同基金でシニアマネージャーを務めるミハル・コシナ氏は次のように述べた:
「危機の時期においては、リミテッドパートナーはこの資産クラスに対して意欲を低下させる可能性があり、既存の約束を履行しない、または再交渉しようとすることさえあり得る。だからこの意味で、同地域における公的資金は公的財源により資金が維持されるため、スタートアップにとって有効である」
パンデミック以前、民間資金や、シリコンバレーとのつながりを作る約束は、CEEの新興スタートアップにとって手に入れるべきより魅力的な手段だったと、この記事は指摘する。しかし、チェコのベンチャー企業ネイション1のような公的資金を受けたそれらに代わる存在は、同社のゼネラルパートナーであるマーティン・ボドッキー氏の言葉を借りれば「保護と優位性」を提供できるようになったと主張する。
「どんなベンチャーキャピタル企業もここで死んでほしくない」と、ボドッキー氏は述べた。
記事はさらに、ポーランドの国が支援するPFRベンチャーズやハンガリーの国営機関投資家ハイベンチャーズが果たしている役割に言及する。
ハイベンチャーズはすでに昨年、欧州企業の中で最も活動的なシード投資家になっており、ベンス・カトナ執行役によれば、現在はパンデミック中のスタートアップへの資金供給を増やしたという。
カトナ氏は、市場参加者は現在リスクをとっていないと主張し、「彼らは今後3ヶ月の間に何が起こるか確認するため待っているように見える」と述べた。
一方で彼は、ハイベンチャーズが「この時期の間に投資をさらに増やした。我々にとっては忙しい時期だった」と指摘した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン