仮想通貨ビットコイン(BTC)の価格が9950ドル(約107万円)を上回っており(記事掲載時点)、小売業者が少額決済を行う際に「0.0009950 BTC」などの細かな数値の見逃しや見間違いにつながる可能性があるという。ビジネス系メディア「クォーツ(Quartz)」が8月1日に報じた

BTC取引における価格の高騰は、仮想通貨の少額決済用途にとっては、価格変動の大きさを示すボラティリティの問題に加えて、決済時にやりとりする金額が小数点以下の非常に細かな数値(0.0009950BTCなど)になるという問題を招いているという。

そのためコミュニティの中には、BTC最小通貨単位「サトシ(Satoshi)」のより幅広い採用を主張している者もいるそうだ。Satoshiは、BTCの創設者「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」氏の名前が由来で、「1サトシ」は1BTCの1億分の1、つまり「1satoshi=0.00000001BTC」を意味している。2011年2月頃ビットコインフォーラム(bitcointalk.org)において提案され、議論を経て採用された。

クォーツが指摘するように、サトシの場合は価格10ドル(約1071円)の食事では「9万5000サトシ」(記事掲載時点)といった表記になるものの、BTCのまま小数点以下の数値で表すよりも計算が簡単だろうという。

「サトシ」のシンボルはどうする?

サトシ・ナカモト氏開発のBTCクライアント初期版向けアイコンとして採用されたBTCを示すシンボルは、2017年6月に公開された、文字コードの業界規格「Unicode(ユニコード) 10.0」に収録された。

「Unicode 10.0」への収録は、ソフトウェアエンジニアのケン・シーリフ(Ken Shirriff)氏の移植によるものだ。BTC最小通貨単位「サトシ」の普及促進に役立つシンボルの正式採用を求める声の増加に対して、シーリフ氏は次のようにツイートした。

「『𝕊 Ꭶ ş ᔑ ﮔ § ᗸ ƃ 🝅 ᚑҌ þ ꝧ Ⴉ』のような、すでにユニコードに収録されているシンボルの採用を強く勧めたい。サトシの新しいシンボル・デザインを発明するのは楽しいものの、それらはほとんど使用不可能で、問題を引き起こすだろう」

しかしコミュニティでは、個々が熱心に提案し、自分が考えた新しいデザインやお気に入りのものを宣伝しており、熱意が空回りしかねない状態になっているという。

あるツイッターユーザーは、米ドルを示すシンボル「$」の画像をツイートして、次のような皮肉を述べた。

「本当のサトシのシンボルは、ここにある。我々は、これで『クソ』なシンボルの投稿を止められる」

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版