12月10日にアルゼンチンの大統領に就任した右派のハビエル・ミレイ氏は、仮想通貨コミュニティから同国の仮想通貨採用をエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領が行ったレベルにまで引き上げるよう期待されている。

ミレイ氏の就任当日、ラテンアメリカのニュースサイト「Cryptonoticias」は、「ビットコインコミュニティからのミレイ氏への3つの要請」を発表した。非営利団体「ビットコイン・アルゼンチン」の副会長、カミロ・ホラジュリア氏は、ミレイ氏に対し、国民のプライバシーを尊重し、金融活動作業部会(FATF)の「極めて厳しい措置」を導入しないよう呼びかけた。

ホラジュリア氏が言及した措置とは、FATFの「トラベルルール」であり、仮想通貨事業者に、仮想通貨の送信者および受信者に関する情報を共有することを義務付けている。また、ホラジュリア氏は、エルサルバドルをビットコインの採用と規制のモデルとして挙げた。

アルゼンチンの仮想通貨アドバイザー兼コラムニストのアダム・デュボヴ氏は、新しく就任した大統領は、通貨改革の約束を守り、同国の中央銀行であるバンコ・セントラル・デ・ラ・レプブリカ・アルゼンチン(BCRA)の規制体制を「解体し始めるべき」と考えている。

エルサルバドル政府の元職員であるモニカ・タヘール氏は、ミレイ氏の仮想通貨に対する姿勢を歓迎し、アルゼンチンの経済規模から、同国の政府がデジタルエコシステムを促進すれば、投資家をエルサルバドルから引き離すことができると予測した。

ミレイ氏は、BCRAの廃止や、国家経済の完全なドル化など、急進的な改革を約束して、11月19日のアルゼンチン大統領選挙で勝利した。しかし、アルゼンチンのビットコイン擁護者であり、メディア分析会社「ビットコイン・パーセプション」の創設者であるフェルナンド・ニコリッチ氏は、選挙後にコインテレグラフに対し、「ミレイ氏への仮想通貨コミュニティの熱狂は、『ビットコインフレンドリー』とされるいかなる法律を通過させることも、彼の公約ではないという事実によって抑えられるべきだ」と語った。