アラブ首長国連邦(UAE)の港湾運営大手アブダビポートの子会社は、ベルギーのアントワープ港と共同でブロックチェーン利用のテストを実施する。海運ニュースのヘレニック・シッピング・ニュースが15日伝えた。

アブダビポート子会社マクタ・ゲートウェイとアントワープ港が署名した覚書(MoU)に基づき、両社はSilsalというブロックチェーンプロジェクトのテストを実施する。このプロジェクトでは、分散型台帳技術(DLT)上で国際貿易文書を処理する。

Silsalプロジェクトは、UAEとベルギーの間の貿易フローとサプライチェーンを改善するのに加え、貨物の動きを完全に可視化することが期待されている。貨物文書や証明書の交換、識別、検証などでブロックチェーン技術の潜在的な利点を探る。

Silsalプロジェクトは2018年6月に初めて発表された。プロジェクトはいくつかの運用段階で導入され、もともとのターゲットは貨物運送業者とその顧客だった。最終的には、プロジェクトはより広い貿易コミュニティに提供されることになった。

UAEの首都に本拠を置くアブダビポート社は、UAEとギニアで港湾とターミナル11カ所の管理、運営をしている。同社はUAEの非石油GDP成長率の3.6%を占めると言われている。

アブダビポートのモハメド・ジュマ・アルCEOは、「世界的に有名な国際パートナー」とのテスト事業によって、業界が「迅速で信頼性が高く安全な」運営をできるようになることを期待していると述べた。また、「ブロックチェーンの使用に向けて引き続き努力する」と続けた。