政府系ファンドのアブダビ投資評議会(ADIC)が第3四半期に、ブラックロックの現物ビットコイン上場投資信託(ETF)を通じたビットコイン(BTC)エクスポージャーをほぼ3倍に増加させていたことが明らかになった。市場関係者らは、アラブ首長国連邦(UAE)で機関投資家の仮想通貨への関心が依然として強いことを示すシグナルだと捉えている。

ムバダラ投資会社の投資部門であるADICは、ブルームバーグに対し、ビットコインを「金のデジタル版」とみなしていると語った。

同社がブラックロックのビットコインETF(IBIT)への保有を増やしたのは、ビットコインが激しく変動した時期だった。第3四半期終了の数日後、BTCは10月5日に史上最高値の12万5100ドルをつけ、その後今週水曜には再び9万ドルを割り込んだ。

IBITは第3四半期末から大幅下落へ

ブルームバーグによれば、ADICは第3四半期の初めにIBITを240万株保有していたが、9月30日時点では約800万株まで積み増し、評価額は約5億2000万ドルに達した。IBITは第3四半期末に65ドルで終了し、BTCが史上最高値を更新した翌日の10月6日には71ドルまで上昇していた。

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IBITの価格推移 Source: Google Finance

しかし、ビットコインが10万ドルを割り込む急落を見せたことで、IBITも連動して下落し、水曜日の終値は50.71ドルとなり、第3四半期末から約23%の下落となった。

それでもこのIBIT増加は、機関投資家によるビットコイン採用が広がっている証拠として受け止められている。

仮想通貨投資プラットフォームM2の財務マネージャーであるザイード・アリーム氏は水曜日のLinkedIn投稿で、「このような機関投資家の確信を確認できるのは素晴らしい。UAEがデジタル資産の世界的ハブとしての地位を固めつつある強力なシグナルだ」と述べた。

同様に仮想通貨ウォッチャーのマーティーパーティー氏も、「今回のポジションは、BTCが価値保存手段として果たす役割への戦略的な賭けを示している」と指摘した

ETFアナリスト「IBITは厳しい局面にある」

ETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は水曜日、「IBITは今、厳しい局面にある」とコメントした

「年初来(YTD)の資金流入は依然として250億ドルと天文学的な規模だ。しかし過去1カ月でビットコインETF全体から計33億ドルの流出が起きており、これは運用資産(AUM)の3.5%にあたる」と分析している。

ファーサイドによれば、IBITは2024年1月のローンチ以来、累計6312万ドルの純流入を記録している。

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