仮想通貨ベンチャーキャピタル(VC)大手のアンドリーセン・ホロウィッツ(A16z)は、市場の大幅な下落にもかかわらず仮想通貨投資を強化しており、新たな仮想通貨ファンドとして20億ドルの資金調達を目指している。
フォーチュンによると、A16zのブロックチェーン投資部門であるA16zクリプトは、仮想通貨に特化した5本目のファンドを立ち上げており、2026年半ばまでのクローズを目標としている。
今回のファンド規模は、2022年に組成した45億ドルのファンドより大幅に小さい。しかし同社は、変化の激しい仮想通貨市場のトレンドに柔軟に対応するため、資金調達サイクルを短縮する戦略へとシフトしている。
この動きは仮想通貨の弱気市場の中で進められている。仮想通貨市場は2024年10月初めに時価総額で約4.4兆ドルのピークを付けた後、2兆ドル以上が消失している。
A16zクリプトの責任者クリス・ディクソン氏は、2024年の著書「Read Write Own」で、ブロックチェーン上に構築されたアプリケーションによる分散型インターネットというWeb3の理念を提示している。
しかし、こうした投資の多くは期待通りの成果を上げていない。特にX(旧Twitter)の競合を目指したFarcasterは、1月にインフラを売却した後、投資家に1億8000万ドルを返還した。
仮想通貨VC、非クリプト分野にも関心
最近ではウォール街の仮想通貨支持者の関心は、ステーブルコイン、現実世界資産(RWA)のトークン化、金融商品などに集中しており、多くのベンチャーキャピタルも同様の方向に動いている。一方で、別の技術分野に視野を広げる動きも出ている。
マルチコインキャピタルの共同創業者カイル・サマニ氏は2月、「AI、長寿化技術、ロボティクスなど新たな技術分野を探るため」として役職を退いた。
仮想通VCのパラダイムも、人工知能やロボティクス分野への投資拡大を進めているとされ、最新ファンドでは15億ドルの資金調達を目指している。
またA16zは1月、米国の将来を守る上で重要とみなす企業や技術に投資するため、150億ドル以上の資金を調達した。AIや仮想通貨のほか、生物学、医療、防衛、教育、エンターテインメントなど、人類の繁栄につながる主要分野への投資を挙げている。
A16z、2026年の主要テーマにAIと仮想通貨
A16zは最近、2026年の重要テーマとしてAIと仮想通貨を挙げている。
同社は、AIがサイバーセキュリティ業務を自動化し、AIモデルがアプリストアのような存在となる可能性があると指摘した。またプライバシーが「仮想通貨における最も重要な防御壁」となり、予測市場は「より大きく、より広く、より賢く」成長すると見ている。
さらにステーブルコインは、従来の銀行システムや金融との結び付きがより強まると予測している。
DeFiLlamaの資金調達データによると、仮想通貨スタートアップは2月に8億9500万ドルを調達した。これは前月の14億7000万ドルから約40%減少し、2025年2月の約10億ドルもわずかに下回る水準となっている。
