仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のボリンジャーバンド幅が2016年以来初めて0.95を割り込んだ。ボリンジャーバンドは、ボラティリティーを評価するために広く利用されているテクニカル指標だ。一般的にバンド幅が狭まると、巨大なボラティリティがまもなく起きることが示唆される。

ビットコイン価格は、2019年から2020年にかけて比較的安定している。ビットコインは3,600ドル以下に急落した3月を除けば、ほとんどが6,000ドルから12,000ドルの間で推移している。

The monthly Bitcoin price chart with Bollinger Band

(出典:Nunya Bisniz「ビットコインの月別価格チャート」)

今後数ヶ月の間に、2016年と同様のパターンが発生すれば、ビットコインのボラティリティは徐々に上昇する可能性がある。

ビットコインの強気サイクルが具体化し始めている?

ボリンジャーバンドは、資産の移動平均線を使ってボラティリティの幅を決定する。

例えば、ビットコインのボラティリティが高くなると、ボリンジャーバンドは広がり、より広い価格帯が形成されていることを示す。反対にビットコインのボラティリティが低くなると、ボリンジャーバンドは狭くなり、小さなレンジが形成されていることを示す。

ビットコインが狭いレンジ内で下落したり上昇したりすると、レンジを崩したり、レンジから上昇したりする可能性が高くなる。

例として、ビットコインが9,000ドルから12,000ドルのレンジから脱却するのは難しいだろう。価格帯は広範囲にわたっており、レンジを突破するためには大きな買い需要や売り圧力が必要になるからだ。

反対に、10,000ドルから11,000ドルのレンジであれば、レンジをブレイクするか、上向きになる可能性は高い。

ビットコイントレーダーのNunya Bizniz氏によると、ビットコインの月足チャートのボリンジャーバンドが狭くなったことはないという。

同氏が示す月次チャートでは、適切な取引所市場が存在しなかった2013年までをカバーしている。ビットコインの歴史的な価格サイクルのほとんどをカバーしていると言えるだろう。

ボリンジャーバンドの幅は、ビットコインがこれまでに見たことのない前例ない領域に達している。このトレンドから、Bizniz氏はボラティリティーが始まるかもしれないと示唆した。

投資家もボラティリティの上昇を期待

ビットコインは、10500ドル~11,000ドルの狭い範囲で長期にわたって安定している。そのため、投資家はビットコインの大きな価格変動が発生することを期待し始めている。

The historic 30-day volatility of Bitcoin

(出典:Raul Pal「30日ヒストリカルボラティリティ推移」)

グローバル・マクロ・インベスターとリアル・ビジョン・グループのCEOであるラウル・パル氏は、「大きな動き」が間近に迫っていると考えている。

「ビットコインの30日ヒストリカルボラティリティは急速に下落しており、20台に入っている。過去には7回20%のボラティリティを記録している。そのうち6回は価格がすぐに爆発的に上昇し、数ヶ月でボラティリティが80%に達した。1回(2018年11月)だけ価格が急落したことがある。いずれにしても、大きな動きはすぐそこまで来ている。」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン