今月10日にSEC(米証券取引委員会)にビットコインETFを申請したBitwise(ビットワイズ)が、約1ヶ月に渡って続いている米政府機関の一部閉鎖の影響で「SECのスタッフの94%が休暇中である」とし、ビットコイン申請プロセスがスムーズに進んでいないことを明らかにした。また、2月27日が期限の別のビットコインETFについても言及し、「完全に審査することは難しい」と述べた。
米国の法律的には、SECが期限までに決断できない場合、ビットコインETFは自動的に承認されることになる。しかし、仮想通貨業界で著名な米国の弁護士ジェーク・チャービンスキーは、2月27日が期限のビットコインETFのケースに関して言えば、自動承認の可能性は「かなり低い」と述べた。
ビットコインETFの重要性と今後の展望
仮想通貨の資産マネジメントを手がけるビットワイズは21日、モルガン・クリーク・デジタルの創業者アンソニー・ポンプリアーノ氏が手がけるOff the chain(オフ・ザ・チェーン)に投稿。仮想通貨ETFの重要性や今後の見通しについて話した。
ビットコインETFの必要性
ビットワイズによると、ETF(上場投資信託)は、機関投資家がすでに使っているソフトウェアや書類手続きプロセスなどと親和性が高く、「すぐに使える状態」を提供。ほとんどの投資家のポートフォリオで仮想通貨の割合は0.25%~10%という中、仮想通貨にさらなる投資を呼びこむためには「簡単」であることが重要で、仮想通貨を投資するためだけに新たにシステムを再開発するようなことはないのだという。
実際、ビットワイズが150人のフィナンシャル・アドバイザーを調査したところ、58%がETFは好ましい投資方法と回答。仮想通貨への投資をなんの不安もなく行うためには何が必要かという問いには、54%が「より良い規制」と答え、35%が「ETFの立ち上げ」と答えたそうだ。
またビットワイズは、GLD(最初で最大のゴールドETF)と比較。GLD立ち上げ以前、今日のビットコインと同じように、ディーラーからの購入や先物、金採掘業者の株への投資など、投資家には金に投資する手段がたくさんあった。しかし、それにもかかわらず、GLDは立ち上げから3日間で10億ドルもの資産を呼び込んだという。
また、SECがビットコインETF承認に慎重になっていることも理解を示した。過去のビットコインETFを拒否した理由としてSECが上げた「カストディ」、「価格の付け方」、「アービトラージ(裁定取引)」、「価格操作」は、どれも重要な問題であり、適切に対処されるべきだと述べた。
先日ビットワイズは、大手で信頼できる取引所のデータを使ってインデックスに基づいており、規制されたカストディアン(資産管理)を使ってビットコインを保有すると言及。SECが以前の申請に対して抱いていた懸念を払拭する狙いがあると自信を見せている。
ただ、直近、米政府機関の閉鎖により審査プロセスが困難になっていると指摘。「SECのスタッフの94%が休暇中である」とし、自身のビットコインETFを審査も影響を受けていることを明かした。また、2月27日が期限の別のビットコインETF(米運用会社ヴァンエックと金融サービス企業のソリッドXが申請)を「完全に審査することは難しいのではないか」という見方を示した。
ビットコインETF自動承認はない?
仮想通貨業界で著名な米国の弁護士ジェーク・チャービンスキー氏によると、米国の法律上は、SECが期限までに決断できない場合、ビットコインETFは自動的に承認されることになる。ただ同氏は、その可能性は「かなり低い」とみている。
同氏によると、SECのスタッフのほとんどが休暇中だとしても、「例外事項」を取り扱う少数のスタッフが残る。彼らは「きちんとオペレーションを取りやめるために必要な活動」を含む緊急の要件に対処するという。チョビンスキー氏は「ビットコインETFをのような議論を呼ぶ金融商品を自動的に承認することを防ぐことは『必要』だと考えるだろう」と述べた。
6/ But the SEC still has a small number of staff members available to handle "excepted" functions, which mostly refers to urgent law enforcement matters, but also includes "activities necessary for a short period in order to ensure an orderly shutdown of operations."
— Jake Chervinsky (@jchervinsky) 2019年1月18日
さらに同氏は、仮に自動承認になったとしても、SECはその後、ビットコインETFをいつでも拒否できると指摘した。もちろんビットコインETFが承認される可能性はあるが、政府閉鎖の前にSECがすでに決定していたケースもあるとし、いずれにしろ政府閉鎖によってSECがビットコインETFを承認する可能性が高くなるということはないという見解を示した。
ETFとは、Exchange Traded Founds(上場投資信託)の略。東証株価指数(TOPIX)や日経平均、金や原油などのメジャーな指標と連動した投資信託であるため値動きの把握が容易であり、個別の銘柄への投資を行うよりはリスク低減された投資対象である。
コインテレグラフのLINE@アカウントができました!
— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日
毎日のニュースまとめをLINEで配信してます!
こちらから登録してください!https://t.co/r9ZlA6PaWc pic.twitter.com/R9ovDWCw79