ビットコイン(BTC)価格が1万8500ドルから1万7200ドルに急落した後、一部のトレーダーからは慎重な声も出ているものの、強気相場がまだ無傷であることを示唆する複数のファクターがある。

最初の反落に続き、ビットコイン価格は極端なボラティリティを示しており、市場の不確実性を映す形となっている。

ビットコインの勢いが引き続き強力であることを示す4つのファクターは、クジラの流入、強い市場の反応、クジラクラスターの回復力、そして建玉の高さだ。

クジラはBTCを売却していない

CryptoQuantのデータによると、クジラは大量のビットコインを売却していない。ビットコインは1万8000ドルのレジスタンスを試す展開となっている中で、この動きは注目に値する。

ビットコイン・取引所クジラ比率  出典: CryptoQuant

CryptoQuantのキ・ヨンジュCEOは、取引所クジラ比率は低いままであると指摘しており、これは長期的には強気のサインだと述べている。キ氏はクジラによる売り圧力が比較的低いままであり、「今年3月のような大量の売りはない」と述べている

マイナーとクジラからの売り圧力が比較的低いままである場合、BTCは上昇ラリーを再開する十分な余力を持っている可能性があるだろう。

クジラクラスターの動向

オンチェーン分析企業でクジラを追跡するWhalemapも同様のトレンドを指摘している。Whalemapによれば、クジラは11月を通じてBTCを蓄積しているという。またクジラがBTCを購入した価格帯はまだ維持しているという。

短期的には、ビットコインの主要なクジラクラスターのサポートは1万6411ドルだ。BTCが1万6400ドルのサポートエリアを超えて安定している限り、強気相場は維持されることになる。

クジラが特定の価格帯でビットコインを購入し、それをほかの場所に移動させていない場合、クジラクラスターが形成される。

「丸印は、クジラが現在保有しているBTCを購入した価格を示している。丸印はサポートレベルを可視化してくれる。前回は1万5762ドルから反発し、15%の上昇があった。今回も1万6411ドルが新しいサポートとなるだろうか」

ビットコインのクジラクラスター 出典: Whalemap

急落後の市場の強気の反応

ビットコインの回復力を示すクジラ関連のデータに加え、直近の急落ではすぐに買い戻しの動きがあった。

11月18日にビットコインが1万7215ドルまで下落し、1万8520ドルのピークから大幅に下落した。それでもビットコインはこの急落からすぐに回復し、1万7600ドル以上で安定した。

増加している先物市場の建玉

Skewのデータは、ビットコイン先物市場での建玉が増加していることを示している(先物市場の建玉はロング契約とショート契約の合計だ)。

高い建玉は通常、ビットコイン市場に参加しているトレーダーの数が多いことを意味する。

短期的には、これは大きな価格変動が避けられないことを意味する。ボラティリティの急上昇がBTCを上昇させるのか、それとも大きな調整となるのかはまだ不確実である。

ただし、楽観的なクジラ関連のデータや調整時での市場の力強い反応をみると、次の価格変動がビットコインをサポートする動きとなる可能性があるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン