ビットコイン(BTC)が史上最高値圏で推移し、第2四半期だけで30%近い上昇を記録する中、現在の価格水準で「100%ホールドすべき」とする見方が強まっている。

仮想通貨データプロバイダーのコイングラスが公表する強気相場の天井シグナル30種は、いまだどれ一つとして売りサインを点灯しておらず、BTCにはさらに120%の上昇余地があるとされている。

30の価格指標が「ホールド」を示唆

ビットコインは複数回にわたる史上最高値更新の後、現在は保ち合いに入っているものの、コイングラスが選んだオンチェーン指標30種はいずれも過熱感や相場の疲れを示していない。

コイングラスの「強気相場のピーク指標」は、長期的な価格天井を予測するために設計されたもので、売却のトリガーになり得る30項目を含んでいる。しかし現在、そのどれも天井を示唆していない。

トレーダーのキャス・アビー氏は、6月13日のXで「これらのモデルに基づけば、今サイクルのBTC価格は13万5000ドル〜23万ドルになる」と投稿した。

とくに同氏は、「Piサイクルトップ」、「時価総額対実現時価総額(MVRV)」、「長期相対力指数(RSI)」の3つを挙げ、ビットコインの強気相場がまだ拡大余地を残していると強調している。「今は天井ではない」とアビー氏は結論づけた。

コイングラスでは現在、これら30の指標を踏まえ、BTCを「100%ホールド推奨」の資産と分類している。

Source: CoinGlass

ビットコイン価格は2021年の再来か?

一方で、短期的なBTC/USDの見通しについては懐疑的な見方も少なくない。

ビットコインは4月の安値から反発した後、ボリンジャーバンドで示されるレジスタンスに3度跳ね返されており、弱気相場へ反転するリスクも指摘されている

今週には、ボリンジャーバンドの開発者ジョン・ボリンジャー氏が、ビットコインの上昇トレンドが保ち合い、もしくは弱気相場に転じる可能性を警告した。

BTC/USD chart with Bollinger Bands data. Source: John Bollinger/X

他の市場参加者からも、ビットコインが史上最高値をさらに更新できるかについて疑問視する声が出ている。

トレーダーのローマン氏は、現在の相場環境を「2021年末に酷似している」と指摘した。これはビットコインが直近の弱気市場に入る直前のタイミングと重なる。

「現在の値動きは蓄積的というよりも分配的で、強気というより横ばいに近い。2021年末と同様の“ギクシャク感”がある」とローマン氏はXで述べた

「価格が小幅に上昇してもすぐに押し戻され、大口投資家が上昇局面で売っているように見える」とも指摘している。

ただし、こうした弱気シナリオに対しては反論も多い。現在の相場では、機関投資家の需要という4年前には見られなかった要素が存在し、市場環境そのものも成熟度を増しているとの見方もある。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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