ビットコイン(BTC)価格が15,840ドルに上昇した後、14,800ドルまで急落した。日中の高値に達してからわずあ5時間後に、ビットコインは6%超の下落を記録したことになる。このボラティリティの急上昇は、3つの主な要因によって引き起こされたとみられる。
急落した要因となったのは、ドルの回復、ファイザーによる新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチンのニュースに端を発する金(ゴールド)価格下落、そしてクジラによるBTC売却の動きだ。

金価格の下落とビットコイン
製薬大手ファイザーが新型コロナのワクチン試験が順調に進んでいるとのニュースが報じられた。ファイザーによれば、そのワクチンは新型コロナ予防で90%の有効性があるという。
ファイザーは現在までに約4万4000人に対してワクチンのテストをしており、効果が証明された場合、次のステップは米食品医薬品局(FDA)がワクチンの大量生産と流通を承認する前に独自テストを実施することだ。
ワクチンのニュースが発表された後、ダウ平均株価は1000ポイントの急騰を見せるなど、米株式市場が力強い上昇を見せた。米ドルと株式市場が勝利する一方で、金(ゴールド)とビットコインは同時に下落することになった。仮想通貨アナリストのマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は、米ドル指数の回復とビットコインや金との下落の関係について指摘している。
クジラによるビットコイン売却
ビットコインの急落が発生したとき、オンチェーン分析企業のCryptoQuantはクジラがビットコインを売却していることを発見した。
クジラが、BTCを15,800ドルで売却する理由は、それは16,000ドルという重要なレジスタンスの直下にあるということだ。テクニカルアナリストらは16,000ドルを突破できれば、ビットコインが過去最高値を更新する可能性が高くなると指摘している。
クジラが売却を始めるとき、市場は強い反応を見せることがある。クジラが利益を確保した後、強気トレンドを再開するかどうかは不透明だ。現在のところ、反落の動きは収まっており、BTCは15,100ドル以上に回復している。
長期的なプレイヤーは保有継続
市場のボラティリティが高まっているが、長期投資家は動揺することはないだろうと、仮想通貨トレーダーのカンタリング・クラーク氏は指摘している。クラーク氏は、今回の急落は金価格の動向に反応した一部ファンドによるものであり、ビットコインの長期投資家は彼らのポジションを変えていないと強調する。

さらにグラスノードのアナリストは、現在の短気保有者の活動は以前の強気トレンドを彷彿させるとも指摘している。そのため、BTCが直近の下落から回復した場合、上昇ラリーが継続する可能性が高くなると述べている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン