仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は昨夜23時45分過ぎに急落。仮想通貨取引所ビットメックスで15分ほどの間に1万180ドルから8600ドルまで14%も下がった。急落の背景には、ロング・スクイーズ、長年存在するレジスタンスに直面、クジラ(大口投資家)による売りがあると考えられる。

BTC USDT 4-hour chart. Source: TradingView

(出典:TradingView「ビットコイン/USDT 4時間足」)

ビットコインのロングスクイーズ

ビットコインの価格調整が起きる前、ビットメックスにおけるビットコイン先物とイーサリアム先物のファンディングレート(資金調達率)は0.16%と0.19%付近で推移していた。

ファンディングレートは、もしショート(ロング)が多くなれば資金調達率はマイナス(プラス)になり、ショート(ロング)しているトレーダーはポジションの一部でロング(ショート)のトレーダーに補償を支払う仕組みだ。

例えば、ビットコインが上昇しファンディングレートが0.01%から0.16%に上がったら、もしトレーダーが10万ドルのロングポジション保有者は8時間ごとに160ドルを10万ドルのショートポジション補修者に払わなければならない。

ファンディングレートは、マーケット参加者がロングやショートに長い間大きく傾かせることを防ぐ仕組みだ。

今回の急落前、ビットコインのファンディングレートは高すぎる水準にあり市場参加者の多くがロングポジションを持っていた。多くがビットコインの価格上昇を予想し、積極的にロングポジションを持っていた。このため、「ロングスクイーズ」が発生し、約1億2000万ドル(約128億円)が解消された。

BitMEX XBTUSD Liquidations. Source: Skew

(出典: Skew「ビットメックス XBT米ドル 解消額」)

長年のレジスタンスで拒否

ビットコインは1万500ドル付近にあるレジスタンスに直面した。過去8ヶ月で3回目の直面だ。

2019年10月、ビットコインは1万500ドル付近まで上昇したのち、4週間以内に6400ドルまで下落した。今年2月、ビットコインは再び1万500ドルに挑戦。しかし完全に拒絶されて8400ドルまで下落したあと、4週間で3600ドルまで下落した。

過去3四半期で1万500ドル付近で拒否されるのは今回が3回目だ。

クジラが動いた

今回の急落前の2、3時間でクジラがビットメックスやバイナンスに資金を動かした形跡がある。

BitMEX and Binance inflows before the drop to $8,600. Source: CryptoQuant

(出典: CryptoQuant「ビットメックスとバイナンスに資金流入」)

クジラのビットコイン売りと長年続くレジスタンスのコンビネーションによって、急落が起きた可能性がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン