魅力的なステーキング報酬のオファー、特許技術によるNFT詐欺対策、活発なユーザーベース。これらはいずれも、VRAの価格が5月の安値以降底打ちしたことを示唆するものだ。

5月19日にマーケット全体で起こった仮想通貨の売却により、ビットコイン(BTC)の価格は55%下落。アルトコインにおいては甚大な痛手を被り、最大90%の価格下落に直面したトークンもあった。

トークン価格が最高値から87%下落したVerasityは、その後価格が底打ちしたと見られる。Verasityはeスポーツを中心に、動画制作者が得るエンゲージメントと広告収入の拡大を目的としたブロックチェーンプロトコルを提供している。

Cointelegraph Markets ProTradingViewのデータによると、VerasityのVRAトークン価格は0.0558ドルの高値をつけた4月17日以降、7月20日には0.0073ドルまで落ち込んだ。しかしその後24時間あたりの取引量は着実に増加し、トークン価格も8月17日に0.024ドルの日中最高値をつけるまで持ち直した。

VRA/米ドル 1日チャート. 出典: TradingView

VRAの価格が直近の低調から再上昇に転じると考えられる理由は、3つある。コミュニティが活発であること、詐欺行為を防ぐプルーフ・オブ・ビュー特許にNFT言語を追加したこと、そしてトークン保有者がコインの循環量を減らす動機となる魅力的なステーキング報酬だ。

コミュニティの盛り上がりがさらなるユースケースに

活発なサポートコミュニティの存在は、仮想通貨プロジェクトにとって最高の財産のひとつだ。コミュニティは重大な統合を後押しし、また仮想通貨のエコシステムに新たなパートナーシップを誘引する力となる。

Verasityのコミュニティは最近、VRAを仮想通貨のためのECサイトShopping.ioの支払い手段として統合することに票を投じた。Shopping.ioでは、ユーザーはAmazonやeBayなど数多くのオンライン販売者から商品を購入することができる。

これにより、VRAを稼いだコンテンツ制作者はあらかじめ他の通貨に替えることなく各自が好むECサイトでの支払いが出来る。 

VRAトークンに新たなユースケースが生まれ、流通速度の上昇に一役買うというわけだ。

プルーフ・オブ・ビュー・プロトコルとNFTの統合

2つ目の鍵となる展開は、ブロックチェーン上でコンテンツの閲覧が本物か偽物かを区別するプルーフ・オブ・ビュー(Proof of View / PoV:閲覧証明)プロトコルの開発だ。このプロトコルは米国特許を取得している。

プルーフ・オブ・ビューは開発以降ユースケースが増加し、Verasityは当初の特許をアップデートした。金融テクノロジーにおける急成長中領域のひとつであるNFT(非代替性トークン)を追加したのだ。

Verasityはプルーフ・オブ・ビュー・プロトコルにNFTを追加したことにより、人気分野において一層高いレベルで詐欺行為を防ぎ、またVerasityのプラットフォームに新規ユーザーを獲得する可能性を得た。

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ステーキングという選択肢によりVRAの流通量を減らす

VRAの価格を支える3つ目の要素は、プロトコル上のトークンをロック状態にしたユーザーに与えられる魅力的なステーキング報酬だ。

ユーザーがネットワーク上でトークンのステーキングを行うことは、ネットワークの正常な機能を維持するための助けとなる合意形成メカニズムの一環であり、プロトコルにとって利益となる。大多数のステーキングプラットフォームと同様に、ステーカーはトークンを流通から外すことで報酬を得られる。

現在、VRA保有者はトークンをステーキングすることにより1日あたり0.07%の報酬を得ることができ、年換算すると25.55%となる。現在の報酬キャパシティは2,500,000,000 VRA、あるいは総流通量の24%だ。


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