ウォールストリートジャーナル(WSJ)の記事では、テザー社のバランスシートは、準備資産の価値が0.3%下落しただけでも、「テザー社がテクニカル的に支払不能になる」状態にあると主張している。

WSJは土曜日の記事で、テザー(USDT)の準備金の不透明さと、2017年から行われている待望の監査に焦点を当てた。WSJは、このような「薄い資本のクッション」は、テザー社の負債が資産を上回った場合、市場に混乱をもたらす可能性があると指摘した。

「0.3%の資産減少でテザー社はテクニカル的に債務超過に陥る可能性があり、懐疑論者が警告する展開はは、投資家からの信頼が低下し、償還の増加に拍車をかけるというものだ」

テザー社のウェブサイトによると、記事執筆時点で、テザー社の資産額は677億4000万ドル、負債額は675億4000万ドルで、その差はわずか1億9100万ドルに過ぎない。

しかし、テザー社の最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏は「今後数カ月で資本が大幅に増加する」とし、「私たちが(仮想通貨)システムのシステミックリスクだとは思っていない」とWSJに対して語っている。

アルドイノ氏はまた、同社は顧客資金から償還に問題なく対応できており、最近の仮想通貨市場の暴落時にわずか24時間で70億ドル相当を償還することができたと指摘した。

テザー社のウェブサイトでによれば、準備金の79.62%が現金、現金同等物、その他の短期預金、コマーシャルペーパーに裏付けられているという。残りは、不特定のデジタルトークンを含む8.36%相当のその他の投資、6.77%が担保付きローン、5.25%が社債、ファンド、貴金属で構成されている。

しかし、アルドイノ氏は、テザー社の約56億ドル相当の「その他の投資」先が何でできているかについてはコメントを控えたという。

また、アルドイノ氏はWSJに対し、同社の透明性向上の一環として、近々月次報告書に切り替える予定であることとも付け加えている。