米国拠点の画像処理装置(GPU)製造会社エヌビディアの株価が、第3四半期予測発表後に下落した。マーケットウォッチが16日伝えた。同社の収益は、デジタル通貨市場が今年陥ったスランプにより、仮想通貨マイニングが落ち込んだことに影響を受けた。

 エヌビディア株価は、時間外取引中に5%以上、下落した。通常セッションの終値は0.6%減の257.44ドル(約2万8545円)。エヌビディアは自社の第3四半期売上を、アナリスト予測の33億4000万ドルよりも低い31億9000万〜33億2000万ドルと予測していた。

 同社は、仮想通貨マイニング売上が第2四半期予測よりも著しく低く、そして今年中にブロックチェーン関連で大きな売上を得る見込みはないと述べた。エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏は以下のように述べた。

「当社収益の見通しでは、仮想通貨関連の商品はおよそ1億ドルまで下落することを予測していた。しかし実際のその収益は、1800万ドルという結果だった。仮想通貨が今年の重要な収益源になると以前は予測を立てたが、今後に関してはそれに何の貢献も見込んでいない」

 第2四半期の同社の純利益は11億ドル、一株あたり1.76ドルだった。昨年時点ではそれらはそれぞれ5億8300万ドル、または一株あたり92セントだった。ロイターによれば総収入は31億2000万ドルとなり、40%の上昇を見せている。

 ファクトセット社のアナリストらは、仮想通貨マイニング装置からの収入が減る一方で、同社のゲームおよびサーバー関連売上が大幅に増加すると予想した。エヌビディアのゲーム部門売上は前年比47%増の17億5000万ドル、そしてデータセンター売上高は78%急増して7億4000万ドルとなる見込みだ。

 仮想通貨マイニングが落ち込んだままになるか、マイナーが他社製のGPUを選ぶようになった場合、もう一社のGPUメーカーであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の成功は長く続かないかもしれないと、アナリストらは6月に発表している。それ以前には、仮想通貨マイニングのブームを受けて同社の株価は30%の増加を見せていた。当時、アナリストはこう述べている。

「仮想通貨の強い成長力は、その市場に数年分遅れて勢いをつけようとしているデスクトップおよびサーバー・マイクロプロセッサーのゆっくりと着実な進歩を、ある程度埋め合わせなければならない。だが収入増加は、運営費用の増加を招いている。もしも仮想通貨の勢いが弱まるようなことがあれば、これがプロセッサービジネスの障壁をさらに高めることになるだろう」