膨張が止まらないDeFiの世界

ブロックチェーン分野ほど革新が速い分野はない、と業界の人々は言う。それに応じるように規制の変化も速く、中国では国内におけるすべての暗号資産関連の取引を違法とし、海外取引所による中国居住者へのサービス提供も禁止とした。

これは、暗号資産業界にとって激震となったが、逆に恩恵を受けたのがDeFi業界である。特に分散型デリバティブ取引所dYdXには、大量の資金が流れ込み出来高が急増した。結果的に、中国の規制は、それが及びにくいDeFiに資金を呼び寄せることとなった。

また、11月18日付の日経新聞では、トップに「膨張する分散型金融 ~11兆円市場、通貨の未来問う」という見出しの記事が掲載された。このように、直近2ヶ月間は改めてDeFiの存在が日本の国内外で強く印象付けられることとなった。

実際に、DeFiの拡大は衰える気配を見せていない。DeFiの統計サイト「DeFi Pulse」によると、DeFiにロックされた資産の総額は981億ドルにのぼり、まもなく最高値を更新しようとしている。DeFiの世界が膨張し続けているのは、データからは明らかだ。

「NFT ✕ 高級時計」で差別化を模索するMULAN Finance

DeFiに多額の資金が流入していることに伴い、同様にその受け皿となるDeFiも増え続けている。これらは非常に競合が多く、どれも似たようなものになっている。そのため、各サービスは未だに差別化を模索している段階だ。

その中でも、MULAN Finance(以下、MULAN)はNFTを使ったユニークな戦略をとる。NFTサービスの前に、まずMULANの基本サービスを紹介していこう。

MULAN Financeの基本サービス

MULANは、統合的なDeFiの提供を目指している。その主な機能は、以下の4つだ:

  • 交換:資産を交換する機能。
  • プール:資産を流動性として提供すると、交換から発生した手数料0.3%得ることができる。
  • ステーキング:MULANトークンをステーキングすることで、年利15-25%のリターンを得ることができる。
  • ファーミング:プールで得たMULANLPトークンを預けると、年利25.01%のリターンのMULANv2トークンを得ることができる。

現在、DeFi PluseにMULANの順位が掲載されていないものの、ロックされた資産の総額は81位に匹敵する額となる。MULANによると、DeFi Pluseへの掲載は現在申請中であり、まもなく掲載されるという。

また、MULANトークンは発行総数の25%がステーキングされている。これは良好な数字といえる。ステーキングをすると資産が一定期間ロックされるため、そもそもユーザーがプロジェクトを信頼していないとステーキングが成り立たないからだ。

MULAN Financeの新たなNFTサービス

MULANは、差別化路線として新たなNFTサービス「NFTマーケット」をローンチした。多くのNFTサービスはデジタルアートがメインであるが、MULANでは業界初となる高級時計のNFTを取り扱う。ピンと来ない人は多いかもしれないが、一部の人たちにとっては投資商品としての側面を持つのが高級時計である。

MULANでは、実在する高級時計と紐付いたNFTを取引することができる。時計の証明書は第三者証明機関によって発行、その後スマートコントラクトに入れられ、その内容は誰でも照会することができるようになっている(証明機関は後日発表予定)。

そしてNFTは、時計の部分シェアであるため、数百万円を投じなくても保有することができるようになる。さらに部分シェアをすべて集めて時計1個分を確保すると、現物と引き換えることができる。なお、MULANのNFTマーケットには、MULANv2トークンの保有が必要となる。

このように、かつてないMULANの取り組みは、投資家に新たな可能性を提示する。高級時計のNFTによって、NFTそのものの価値が次第に上がることが期待できるだけではなく、MULAN / MULANv2トークンの価値向上にも期待できることだろう。


MULAN Financeに関する情報
公式ページ:https://mulandefi.finance/#/
Twitter:https://twitter.com/MulanDefi