仮想通貨市場全体が大きな打撃を受けているにもかかわらず、ノンファンジブルトークン（NFT）スペースは再び勢いを取り戻しつつある。OpenSea、LooksRare、Magic Edenなどの主要なNFTマーケットプレイスでは、依然として膨大な量の取引が行われており、取引が衰える兆しはみられていない。
そしてまた、風変わりだが魅力的なコンセプトとデザインのNFTコレクティブの誕生も後を絶たない。振り返ってみると、かつてはメディアの注目を集めるための小規模で厳しい競争だったものが、今では本格的で強固なエコシステムに変化してきた。実際、ラップ界のレジェンド、エミネム（Eminem）とスヌープ・ドッグ（Snoop Dog）は、最近ミュージックビデオに2体のBored Ape Yacht Club（BAYC）のNFTを登場させたのだ。
この話題になると、多くの人がBAYCに対して抱いている謎に触れざるを得ない。スタイリッシュで、ユニークで、でも退屈そう。それは何故か。
NFTには刺激がない？
BAYCのデザインが退屈で、オリジナリティに欠けるという意味ではない。しかし、多くのNFTが同じサイクルを繰り返しているという事実に直面することは避けられない。中には、手に入れてみたものの、購入時のJPEG形式の画像をどうやって活用してよいのかわからないという人もいる。
もちろん、BAYCは他の特典に加え、イベントへの特別なアクセスを提供することで、保有者に独占的な利益を提供している。今年初めには、BAYC保有者にApeCoinがエアードロップされた。さらに、BAYCのエコシステムならではのNFTゲーム「Otherside」のローンチも控えている。
しかし、NFTのコミュニティ同士は互いに遠い存在であるという考え方に共感する人も多いのではないか。NFTのコミュニティはそれぞれ独自の世界を持ってはいるが、あるコミュニティから別のコミュニティに移動するための宇宙船を作ろうとは誰も考えていないようなのだ。
NFTファンは、各コミュニティからNFTを1体ずつ購入し、すべての会員特典を得るべきなのか？それとも他に選択肢はないのだろうか？
メタバースと優れたストーリー展開
メタバースは、これらNFTコミュニティ間の橋渡しとしてのソリューションの1つになり得るだろう。しかし、NFTスペースの現状を考えると、メタバースはこの点でまだカバーすべきリーグがあるようだ。
では、それ以外の解決策は？どんなストーリーが考えられるだろうか？
例えば、Bored Ape（退屈した猿）から「退屈」を取り除くものがあるとしたら？お金？アドベンチャー？ガールフレンド？
例えば、Lady Ape Clubのようなクラブで、自分の所有するApeにふさわしい相手を見つけることができるとしたらどうだろう？
ある男性がBAYCのNFTを購入し、完璧なLady ApeのNFTを所有する女性を探すように、Bored ApesとLady Apesを関係のステータスとして使用できるNFT所有者の実際の物理的コミュニティを思い描くこともできるだろう。また、不適切な写真を投稿する代わりに、BAYCとLady Apesをアバターとして使用する出会い系プラットフォームも例として考えられる。可能性は無限大だ。
信じられないかもしれないが、あるプラットフォームでは、すでにBored Ape（退屈した猿）とLady Apeをマッチングさせる、「非退屈（unboring）化」ミッションが進められている。このエキサイティングな試みが実現するのはいつになるだろうか？
恐らく、もうすぐだろう。