CoinAlphaによるHummingbot Foundation(以下「ファウンデーション」)立ち上げについては、10月の投稿で発表した通りだ。この新しいオープンソース・システムは、仮想通貨取引ボット構築に必要なオープンソース・ツールを提供するHummingbot向けに、分散型かつコミュニティ主導のソフトウェア開発モデルを提供するものだ。
同機構におけるマインドの先人であるLinux Foundationと同様、Hummingbotにおいても、様々な取引所やブロックチェーンに対応してシステムが拡張性を発揮するための鍵は「コミュニティの維持」にあると確信している。
ファウンデーションのミッションは、Hummingbotのコード・レポジトリをオープンソースで提供すること。それによって、分散型のコミュニティ保持機能とガバナンスの実現を目指す。CoinAlphaは、Hummingbotの公式コード・レポジトリの管理機構を、ファウンデーションが所有するGithub組織に変更した。新レポジトリのURLはhttps://github.com/hummingbot/hummingbotだ。
1月に予定されているHummingbot 1.0の公開後、Hummingbotユーザーと同コミュニティメンバーは、HummingbotのコードベースやHummingbot Foundationに対し、多角的な権限を有するようになる。暫定理事会の承認により、Hummingbot Foundationはコミュニティのガバナンス媒体として「Hummingbot Governance Token(HBOT)」を導入する運びとなった。
Hummingbot Governance Token(HBOT)は、以下の詳細に基づきイーサリアム上で配布された:
- 発行者:Hummingbot Foundation
- コントラクトアドレス:0xE5097D9baeAFB89f9bcB78C9290d545dB5f9e9CB (イーサスキャン)
- 名称:Hummingbot Governance Token
- 略称:HBOT
- 総供給額:1,000,000,000トークン
HBOTはERC-20規格トークンだ。総供給額が決まっているため、追加でHBOTが生成されることはない。
HBOTトークンのユースケースはただ一つ。所有者に対して、今後Hummingbotのコードベースがどのように変化していくかを決める権限を与えることだ。全てのプルリクエストは、システム本体に組み込み公式リリースされる前に、HBOT所有者による承認を必要とする。詳細は、Hummingbot Foundation Governanceのホワイトペーパーを確認。
HBOTトークン配布
HBOT配布計画の目的は、「Hummingbotプロジェクトを拡大する」という長期目標の担い手たちにトークンを広めることだ。これを念頭に、 Hummingbot FoundationではHBOTの配布を許可し、以下の計画を立てた。
Hummingbot コミュニティプール(40%)
過去の活動主体向け(レトロアクティブ配分)(4%)
Hummingbot Foundationは、供給量全体の4%(=コミュニティプール分の10%)にあたるHBOTトークンを、過去にGithub上にコード提供した人や、Hummingbot Minerに参加したユーザー及びトレーダーに分配する。
Githubのコード提供者
- 開発主体あたり:75,000HBOT
- 対象開発主体の数:62
- 合計額:4,650,000HBOT(HBOTトークン総供給額の0.465%)
- 対象条件:v0.46.0版リリース時点で、Hummingbotにコードを提供したこと。ただし、ソースコード提供時点でCoinAlphaのフルタイム従業員だった者を除く。
Hummingbot Minerのユーザー
- マイナーあたり:800,000HBOTを上限に、獲得報酬に準じて算定。平均14,017HBOT
- 対象マイナーの数: 2,522
- 合計額:35,350,000HBOT(HBOTトークン総供給額の3.535%)
- 対象条件:Hummingbot Minerでのリクイディティ・マイニングの報酬として、ローンチ(2020年3月)以降2021年12月13日午後11:59(UTC)までに最低1米ドル相当を獲得したこと。
将来的なコミュニティ活動向け(36%)
HBOTトークン総供給額のうち36%(=コミュニティプール分の90%)は、ファウンデーションのもとに保管され、Hummingbotコミュニティの将来的な活動をサポートするために配布される。この配布は、トークン所有者の投票による提案に基づき、ファウンデーションを通じて行われる。Hummingbot Foundationは、4年に渡って毎年同額を配布する計画だ。(参考:1年あたりHBOTトークン総供給額の9%。)
CoinAlpha投資家向け(37.9%)
ファウンデーションは、HBOTトークン総供給額の37.9%をCoinAlphaのエクイティ所有者に分配する。これらの投資家は、Hummingbotのコードベース開発を2017年から支えてきた存在だ。投資家向けトークンは、提供から1年間ロックされ、その後2年目に使用可能になる。
CoinAlphaのチームメンバー向け(21.1%)
ファウンデーションは、トークン配分の21.1%をCoinAlphaのチームメンバー及びアドバイザー、サービス提供者向けとする。投資家向けトークンと同様、チーム向けトークンは提供から1年間ロックされる。一方このトークンは、その後3年の間(2年目〜4年目)に使用可能となるものだ。
Hummingbotのチームメンバー向け(1.0%)
トークンのうち残り1%は、現在および将来においてHummingbot Foundationに参画するチームメンバーに分配される。このトークンは、提供から1年間ロックされ、その後3年の間に使用可能となる。
HBOTトークンの引き渡し
対象者がトークンを引き取る際は、公式サイト(https://claim.hummingbot.org)を利用する。
なお、レトロアクティブ配分のHBOTトークンを確実に引き渡すため、ファウンデーションでは各対象者のイーサリアムウォレットに直接HBOTトークンを送金し、手続きにかかる手数料を負担する。
配布期間:
- 開始日:2021年12月17日
- 終了日:2022年2月28日午後11:59(UTC)