分散型金融(DeFi)への規制が議論されているが、世界経済フォーラム(WEF)はDeFiに関する政策ツールキットを公開した

このツールキットは、規制当局と政府の政策立案者にDeFi規制に関する有用なガイダンスを提供することが狙いだという。

WEFは今回、ペンシルベニア大学ウォートンスクールのブロックチェーン・デジタルアセットプロジェクトと提携。DeFi起業家や法律専門家、金融規制当局者らもWEFのツールキット開発に協力した。

発表の中では、WEFはツールキットがDeFi規制に関する重要な要因を精査するための基盤を提供すると述べている。政府や政府間組織がDeFi規制を策定・施行しようとしているため、一部の利害関係者は、新興業界の小規模な企業の権利が奪われることを懸念している。

実際、欧州の「暗号資産市場規制(MiCA)」に関する取り組みは、業界の関係者から大きな懸念を引き起こしている。3月、国際トラステッド・ブロックチェーン・アプリケーション協会(INATBA)は、提案された規制のいくつかの規定は、仮想通貨のスタートアップを伝統的な金融機関に比べて不利な立場に置くと主張していた

WEFの第4次産業革命センターの副責任者であるシェイラ・ウォーレン氏によると、そのような懸念はツールキットの中に取り込まれているという。

「これはイノベーションを推進している新興企業を支援するだけでなく、アクセスの観点についても、私たちは多くの時間をかけて考えた」と、ウォーレン氏はコインテレグラフに語っている。

「DeFiの一部は、融資や保険、その他の金融サービスに参加するためのより民主化された道だ。コンプライアンスのコストは、場合によっては、特定の参加者が市場への参入を思いとどまらせる可能性がある。それはイノベーションを抑制し、現在のシステムにおける力の差を複製させることになる」

一方でウォーレン氏は、マネーロンダリングなどの違法行為と戦うための規制と、分散化やプライバシーとのバランスをとる必要性にも触れた。