ビットコイン(BTC)がはじめてモノの購入に使われてから10周年を迎えた。2010年5月22日、プログラマーのラズロー・ハニエツ氏がビットコインを使って、パパジョンのピザ2枚を10,000BTCで購入した。当時の価格は41ドルだったが、現在の市場価値は9250万ドルとなっている。

ピザ2枚の購入に使われた10,000BTCに何が起こったのか。いまはどこにあるのか。

「長年にわたり、BTCは多くのアドレスに移動した」と、ブロックチェーン分析企業コインファームの共同創設者兼CMOのグラント・ブレイズデル氏は、コインテレグラフに語っている。

一部のBTCは倒産して消滅した取引所に移ったり、一部のBTCは大量のBTCを保有するウォレットに移っている。

 

一部のビットコインはBTC-eへ

「資金の一部はBTC-eで清算されたようだ」と、ブレイズデル氏は指摘する。2011年からスタートした仮想通貨取引所BTC-eは、当局がマネーロンダリングへの関与で取締り、2017年に事業を停止した。.

BTCの一部は正体不明のウォレットに

コインファームは、ピザ購入に使われたビットコインをたどっていくと、10,000BTCの5.79%が現在存在する最も大きなビットコインウォレットの1つに到達している。579BTC(約500万ドル相当)は、ビットコインの中で12番目に大きいウォレットの中に存在する。

 

そのアドレスは様々な場所からビットコインを蓄積しており、ウォレットが持つビットコインは全体で5億ドル近くになると、ブレイズデル氏は説明する。「それはビットコインの黎明期から活動している誰かのものだろう」と、ブレイズデル氏は指摘している。

「このアドレスは取引所や企業などのウォレットと結び付けられていないため、誰がアドレスを管理されているかはわからない。正体不明の人物というのは、サトシみたいでちょっとクールだね」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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