9月1日、新しい月はビットコイン(BTC)は楽観的な形でスタートした。8月の月間のロウソク足は、2017年の史上最高値以来、はじめて11,500ドルを上回った。しかし、トレーダーは仮想通貨(暗号資産)市場の突然の急落を受け、慎重な姿勢となっている。

ビットコインは9月2日に6%以上の下落となったが、イーサ(ETH)の価格は10%下落した。仮想通貨市場の短期的なトレンドに対するセンチメントは、下落後も交じり合っている状況だ。

一部のトレーダーは、ビットコイン価格が11,000ドルのサポートまで下落すると予想している。10,500ドルを下抜けて、保ち合いとなれば、弱気トレンドの可能性を高めることになる。トレーダーは、11,000ドルと11,700ドルの価格帯を重要と考えている。テクニカル的には、ビットコインが長期間にわたって11,000ドルを下回っている場合、弱気の反落となっている可能性がある。BTCが11,700ドルを超えて安定している場合、トレーダーは上昇ラリーの可能性を上げることになるとみている。

出典: DonAlt BTCのデイリーチャートと重要な価格レベル

ビットコイントレーダーのDonAltは、BTCのトレンドは依然として不透明だと指摘する。BTCが明確な強気シナリオか弱気シナリオかを明らかになるには、11,700ドル以上もしくは11,000ドル以下で終値を付ける必要があるという。

「まだ強気派は何も失っていない。11,700ドルを上回れば、メガムーンを期待できる。…11,000ドルを失えば、それはマクロでの反落の時間となるだろう。ここを維持することができれば、さらに上に行くと期待できるだろう」

ビットコインの短期的な弱気シナリオ

9月を通してビットコイン価格の下落を引き起こする可能性がある3つの要因が存在する。まず、米ドルは重要なサポートレベルに回復し始めている。第2に、9月は歴史的にBTCにとっては不景気な月だった。第3に、大幅な上昇となった後の保ち合いは、BTCの典型的な値動きだ。

9月2日のビットコインの急落の前から、強気派の中では急反落を予測していた。過去5日間で、ビットコイン価格は対米ドルで約8%上昇したが、イーサ(ETH)はさらに急騰し、30%上昇していた。

ビットコインの主要な弱気シナリオは、11,000ドルへの継続的な下落、サポートレベルの下抜け、そしてCMEギャップがある9,700ドルへの下落だ。このシナリオとなるには、BTCがまず11,000ドルのサポートを下抜ける必要がある。11,000ドルは最近の上昇ラリーで重要な基盤となっていた。

仮想通貨トレーダーの「SalsaTekila」は、強気トレンドが続くためには、10,500ドルのサポートを維持する必要があると指摘している。多くのトレーダーが、10,500~11,000ドルが重要なサポートエリアだと認識しており、このサポートを失うことになれば、大幅な調整につながる可能性がある。

BTCの強気シナリオ

潜在的な触媒が豊富であることは、ビットコインの勢いを押し上げる可能性がある。ここ数か月間、多くのオンチェーン上の指標が中期的にはBTCがポジティブであることを示している。HODLingアクティビティや、純未実現益、取引所でのBTC預金の減少、機関投資家の需要増加といった指標は、長期的にBTCの強気を裏付けているとみられている。

短中期のビットコインの強気シナリオは、史上最高値に向かって持続的に上昇していくというものだ。歴史的に、BTCは9月から10月の間は値動きが停滞している。2017年以降、9月の月間ロウソクはすべて赤いロウソクとなっている。

たとえば、2017年末にかけて、ビットコイン価格は20,000ドルまで上昇したが、2017年9月のビットコイン値動きは冴えないものだった。それでも強気トレンドは17年末まで続いた。そのため、今年9月の月間でのBTCの値動きが停滞したとしても、上昇トレンドが再開される可能性が高いかもしれない。

 出典: TradingView.com  BTC価格の月間チャート

仮想通貨トレーダーの「Byzantine General」は、市場は強気トレンドのままだと語っている。ビットコインとイーサの両方が、反落の前に過度な上昇ラリーの兆候を示していた。BTCが10,500~11,000ドルのサポート領域を下回らない限り、強気の市場構造は維持され、強気トレンドが続くとみている。

ビットコインの短期的な調整にもかかわらず、市場分析企業のグラスノード(Glassnode)のリサーチャーらは、BTCが11,200ドルを下回ったが、長期投資家の多くは売却しなかったと指摘している。データは、それが先物市場でレバレッジ超過のロングポジションが清算されたことによる一時的な後退であった可能性があることを示している。ロング契約のカスケードにより、価格が急落した可能性がある。

2016年の半減期後、ビットコイン価格がピークに達するまでに1年半以上の時間がかかったことを考えると、半減期サイクル理論に従えば、ビットコインに関するセンチメントは今後さらに強くなるはずだ。2016年を通してみると、一部のアナリストは、BTCが大幅な調整を行わずに史上最高値に達する可能性があると予測している。それはビットコインの勢いを強め、主要なサポートエリアでの突然の売り圧力の可能性を減らすことになるだろう。

仮想通貨取引所クラーケンが運営する仮想通貨市場データプロバイダーのクリプトウォッチ(Cryptowatch)は、ビットコインの予測の1つとして、11月までに史上最高値、年末までに27,000ドルになる可能性についてツイートで紹介している

オプション市場も蓄積の兆候を見せ始めている。これはBTCの長期的な強気シナリオを補完するものだ。ビットコイン市場データ企業のEcoinnometricsは「強気派が戻ってきた」と述べ、彼らが強気コールスプレッドを行っていると指摘している。2020年はじめからのオプション市場の急成長を考えると、この動きがBTCの上昇トレンドを加速させる可能性がある。

強気と弱気のどちらの場合でも、第4四半期を通じて、ビットコインの価格に影響を与える永続的なテーマは、米ドル指数(DXY)のパフォーマンスだ。金(ゴールド)は、DXYの数値が逆転したことで、急反落した。金は2日間で約3%下落した。これは安全資産では通常みられないボラティリティだ。

DXYが上昇し始め、2020年後半までビットコインの弱気シナリオをブーストさせるのか、もしくはビットコインのオンチェーンの楽観的な指標がドル高の脅威を相殺するのかは、不確実なままだ。今のところ、多くのトレーダーはBTCの短中期のトレンドについては慎重に楽観的だ。BTCが10,500ドルを下抜けない限り、トレーダーは近い将来に深刻な調整があることには懐疑的であり続けるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン