米国の大手金融機関ウェルス・ファーゴ(Wells Fargo)は、米国の企業年金が350億ドル(約3.7兆円)を債券に移行させると予測している。これが起これば、株式市場で急激な売りを引き起こす可能性があると考えられている。最近の株式市場とビットコイン(BTC)との相関関係を考えると、BTCでも反落につながる可能性がある。

KKMフィナンシャル(KKM Financial)のマネージングディレクターであるダン・デミング氏も、株式市場のボラティリティが高まれば、様々なリスクオン資産が下落する恐れがあると指摘している。

ビットコインは株式とともに下落か? 

The correlation between Bitcoin and the S&P 500

出典: Skew ビットコインとS&P500の相関関係

3月後半以降、ビットコイン価格と米株式指数S&P500は驚くほど相関関係が強くなっている。スキュー(Skew)のデータを見ると、ビットコインは過去3ヶ月、米株式市場とともに反発していることがわかる。

そして6月第1週に株式市場が下落すると、ビットコインも下落し始めた。

ウェルス・ファーゴとKKMは、年金基金などの機関投資家が株式市場の回復から利益を得る準備をしている可能性があり、株式市場が調整される可能性があると考えている。

3月13日の仮想通貨市場の暴落から、ビットコインは159%上昇しているが、BTCについても同じ議論が適用できるだろう。

KKMのデミング氏は次のように述べている。

「今四半期中に市場がどれだけ変化したかを考えると、今四半期末はかなり興味深いものになるだろう。価格変動があるかもしれない。私たちはすでにそれを目撃しており、第2四半期末に向かうにつれて、さらに変動する可能性がある」

仮想通貨市場では、9億3000万ドル相当のビットコインとイーサ(ETH)のオプションが6月26日に期日を迎える。

オプション契約では、事前に合意された特定の価格と日付でビットコインを購入する権利を投資家に与える。それが期限を迎えることになれば、売買高が急上昇し、ボラティリティも急騰する可能性がある。

ビットコインマイナーの売却は依然として脅威

予想されるボラティリティの増加とは別に、ビットコインの短気の価格トレンドには別の変数も存在する。ビットコインマイナーによる売り圧力の増加だ。

マイニングの難易度上昇後、マイナーは再びビットコインを売却し始めた。ビットコインマイナーのハオBTC(HaoBTC)とプーリン(Poolin)が7000BTC以上を売却した。

ビットコインの価格が9300ドルを下回った今日、クリプトクオント(CryptoQuant)のキ・ヨンジュ氏は、次のように語った

「マイナーが取引所に送金する時期がわかっている場合、BTCの価格が急落する時期を推測することができる。『マイナーから取引所へのフロー(Miner to Exchange flows)』を見る場合、送金されるBTCの量は重要ではない」

Bitcoin miners begin to sell-off

出典: CryptoQuant

リスクオン資産が新型コロナウィルスの感染増加と株式市場の調整による恐怖のフェーズに入れば、26日のオプション期日とマイナーの売却が合流することで、仮想通貨の急反落を引き起こす可能性が高まるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン