米ミラー・バリュー・ファンド(米メリーランド州)のビル・ミラー代表が、同ファンド(MVP1)の50%、約11億ドル(約1240億円)をビットコインに投資している明かした。ミラー氏は会長を務めていた投資ファンド、レッグメイソンを16年にやめ新たなファンドを設立している。

 ミラー氏のファンドの運用成績は2005年までの15年間、米国株式の指数であるS&P500の上昇率を上回ったとして有名だ。

 同氏はインタビューの中で、「約50%をビットコインに投資している。今研究しているのは、どうやってファンド全体およびそのポートフォリオへのリスクを軽減させられるかだ。今後もずっとファンドの50%をビットコインに配分していくことはないかもしれないが、売るというわけではない」とのべた。

 米経済紙ウォールストリートジャーナルによると、今年10月末の時点でMVP1ファンドは173億円程度を運営しており、そのうち3分の1をビットコインに配分しているとしていた。当時のビットコイン価格は約6000ドルだったから、12月中旬の時点で3倍になっていることになる。

 また、以前のインタビューでも同氏は2014年の時点で、個人資産の1%をビットコインに投資しているとしていた。

 同氏のスタンスは、ビットコインに否定的なJPモルガン・チェイスCEOのジェームス・ダイモン氏や、米投資ファンドのブラックロックCEOのラリー・フィンク氏、またウォーレン・バフェット氏等多くの米経済界のトップとは対照的だ。

 ミラー氏は独特の表現で、以下のように述べている。「ビットコイン価格がゼロになる可能性も無視できないと思う。しかしそうならない日が一日、また一日と過ぎていくにつれ、リスク資金がビットコイン生態系にながれこみ、より多くの人がビットコインについて知り、またこれを買う。そうなるとビットコインの価値がゼロになる可能性は下がっていく。」