ビットコイン(BTC)が史上最高値から後退したことで、既に2025年相場のピークを迎えたのではないかと懸念する声が広がっている。しかし、アナリストのマーリン・ザ・トレーダー氏によれば、いわゆる「12万4000ドル天井説」は単なるノイズにすぎないという。
30の指標すべてが「上昇余地あり」を示唆
火曜日の投稿でマーリン氏は、ビットコインの代表的な30のピーク指標のいずれも赤信号を点灯させていないと強調した。
過去のサイクルの天井は、著名なオンチェーンツールで「過熱」シグナルが複数同時に点灯する局面と一致していた。
例えば、マイナーの収益が持続不可能なほど膨らむと急騰する「プエル・マルチプル」は現在1.39にとどまり、過去のピーク時に見られた危険水準2.2を大きく下回っている。
同様に、ビットコイン価格を実際の資本流入と比較する「MVRV Zスコア」も依然ニュートラルな領域にあり、過去の天井を示した極端な過熱圏には達していない。
経験豊富なBTC保有者は動じず
アナリストのクラッジーブロック氏によれば、保有期間1か月未満の新規投資家は平均で約-3.50%の含み損を抱えており、すでに売却に動いている。一方で、保有期間1~6か月の短期保有者(STH)は平均+4.50%の含み益を維持している。
クラッジーブロック氏は「これは強気の構造的展開だ」とし、次のように述べた。
「市場は弱気な保有者を一掃し、BTCをより低い取得単価と強い確信を持つ保有者へ移転している。このシェイクアウトは直近の高値掴み投資家には痛みを伴うが、次の大幅上昇に向けた強固な支持基盤を築く出来事だ」
7000万ドルのロング清算が市場を健全化
オンチェーンアナリストのアムル・タハ氏も、次は回復局面になると主張している。同氏は、バイナンスでBTC価格が11万1000ドルを割り込んだ際に発生した7000万ドル規模のレバレッジ・ロングポジション清算を指摘した。
この清算後、未決済建玉(OI)は大幅に減少し、バイナンスの累積ネットテイカーボリュームも約10億ドル急落した。これは売り圧力の優勢と後発買い手の投げ売りを示している。
タハ氏によれば、次の流動性集中帯は11万7000~11万8000ドルにあり、BTCが数日内に回復すれば価格を引き寄せる「磁石」となり得る。一方、下値のサポートは10万5000ドル付近まで薄いとされる。
「過剰レバレッジの買い手が排除され、建玉がリセットされたことで市場は構造的に健全化した。ショートスクイーズが見られない点は、BTCが重要水準を回復し、ショートカバーを誘発すれば潜在的な上昇余地を示唆している」
10万ドル割れの可能性は?
週足チャートで見ると、今回のビットコイン下落は相場天井ではなく、典型的な強気市場における調整に近い。
2023年以降、BTCは20~30%の急落を繰り返しながら上昇基調を維持してきた。直近の12%下落は比較的小幅で、依然として20週間指数移動平均線(20週間EMA、緑の波)の10万8000ドル付近を上回っている。この水準はラリー全体を通じて動的な支持線として機能してきた。
20週間EMAから反発すれば、BTCは再び12万5500ドル超の史上最高値を試し、さらに年末までに15万ドル以上を目指す可能性も開かれている。
逆に20週間EMAを下抜けした場合、相場はより深い調整に入り、9万5300ドル付近の50週間EMA(赤の波)まで下落する恐れがある。この水準は過去の強気市場においても局地的な底値を示してきた。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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