破産申請から約1年が経ち、仮想通貨仲介業者のボイジャーデジタルがアプリを再開し、顧客が資金を引き出すことができるように準備を進めている。

ボイジャーの破産計画管理者であるポール・ヘイジ氏は6月14日の裁判所提出書類で、6月15日頃にボイジャーアプリがアップデートされ、引き出し可能額が表示されるとし、引き出し期間が6月20日から7月5日の間に始まるとしている。破産計画は5月17日に裁判所で最初に承認され、顧客はボイジャーアプリを通じて仮想通貨を引き出すか、30日後に現金を出金することで、請求額の35.72%を最初に受け取ることになる。

提出書類の中で、ヘイジ氏は破産した仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズキャピタルからボイジャーに支払う6億5000万ドルが未払いであることにも言及している。顧客資金の35%以上が引き出されるこの最初の出金で、「最初の分配が完了すると、追加の資産を回収し、債権者に分配することに主な焦点が移る」としている。

さらに、アラメダリサーチのボイジャーに対する優先請求権が最終的に解決されることで、顧客資金のさらに4億4500万ドルが利用可能になる可能性があるが、これは2023年9月中旬以降になると予想されている。

ボイジャーは最初に破産を申請した昨年7月5日から、これまでに2つの破産計画提案を提出していたが、どちらもうまくいかなかった。最初の提案はFTXの米国部門であるFTX.USとの14億ドルの取引だったが、FTXが破産申請を行ったことでご破算になった。その後、バイナンス.USとの10億ドルの取引も、「米国における敵対的で不確かな規制状況」という理由で4月25日に撤回された

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン