イーサリアム共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムが新規ブロック生成とトランザクション確定を大幅に高速化する計画を示した新たなロードマップに関して、追加の詳細を明らかにした。
ブテリン氏は木曜日、イーサリアム財団プロトコルチームが公開したビジュアル形式のロードマップ「Strawmap」について言及した。
「高速スロットはロードマップの最上部で独立したレーンに置かれており、他の項目とはあまり結び付いていないように見える」と述べ、残りのロードマップは「スロット時間とはかなり独立している」と指摘した。
スロット時間とは、イーサリアムが新しいブロックを生成するまでの時間を指し、現在は約12秒だ。今回のロードマップではこれを最速2秒まで短縮することを目指しており、ブロックチェーンを待ち時間のある仕組みではなく、よりリアルタイムで応答性の高いシステムへ近づける狙いがある。
「スロット時間は段階的に短縮していくと考えている」とブテリン氏は述べ、12秒から8秒、6秒、4秒を経て最終的に2秒まで下げる案を示した。
また、p2pの改善、すなわちイーサリアムノード間の通信方法のアップグレードも重要だと指摘した。新規ブロックやデータを重複ダウンロードせずに共有できる仕組みなどにより、ブロック伝播時間を大幅に短縮できると説明。「セキュリティ上のトレードオフなしで、より短いスロットを実現できる」と述べた。

ファイナリティを数分から数秒へ
ロードマップにおける第2の大きな改善点は、ファイナリティだ。これはトランザクションが数学的に不可逆と保証される時点を指し、現在は約16分を要している。
将来的な目標は6秒から16秒の範囲でのファイナリティだ。これは、現在の複雑な承認システムを、より簡潔で単純かつ量子耐性を備えた仕組みに置き換えることで実現を目指す。
「スロットとファイナリティを切り離し、それぞれを個別に検討できるようにすることが目標だ」とブテリン氏は説明した。
同氏はこれを「非常に大規模な変更群」と表現し、各変更の中でも最大のステップを「暗号方式の切り替え、特に耐量子ハッシュベース署名への移行」と組み合わせて実施する計画を示した。
スロットの量子耐性化を実現へ
このアプローチの結果として、ファイナリティより先にスロットが量子耐性を持つ可能性があるという。
「段階的アプローチの興味深い帰結として、ファイナリティよりもはるかに早くスロットを量子耐性化できる道筋がある」とブテリン氏は述べた。
量子コンピューターが突然登場した場合でも、「ファイナリティの保証は失われるかもしれないが、チェーン自体は動き続ける体制に比較的早く到達できる」と説明した。
「スロット時間とファイナリティ時間の双方が段階的に短縮されていくのを期待してほしい」と同氏は総括した。
イーサリアムのスロット構造とコンセンサスの「コンポーネント単位での置き換え」により、「よりクリーンで単純、量子耐性を備え、証明者に優しく、エンドツーエンドで形式的検証がなされた代替案」が生まれるという。
これらの変更は今後4年間で進められる予定で、おおよそ6カ月ごとに計7回のフォークが計画されている。「Glamsterdam」と「Hegotá」はすでに確定しており、いずれも今年後半に予定されている。

