イーサリアム2.0に向けたフェーズ0のローンチが成功した後、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、プロジェクトの次の予定に関する最新のロードマップを公開した。
イーサリサム2.0の開発は、いくつかのフェーズに分かれている。フェーズ0では、ステーキングを可能にするが、アプリケーション層には影響を与えない最低限のビーコンチェーンだ。フェーズ1では、データのシャーディングを導入し、アプリケーションのパフォーマンスに直接影響を与えることなくストレージ機能を向上させる。最後に、フェーズ2では、トランザクションのシャーディングが完全に導入され、1秒あたり数千のトランザクションを可能にする。
ブテリン氏は今年3月にこのロードマップは今後5年から10年にわたるビジョンであると述べていた。今回更新されたバージョンはより流動的であり、「フェーズ1」や「フェーズ2」といった用語が完全に削除されている。各フェーズの機能の定義は、互いにより独立しており、イーサリアム1.xでの作業が組み込まれている。
ブテリン氏のロードマップには、イーサリアムのすべての開発が含まれており、プラットフォームの次のステップの概要がつまびらかになっている。
The roadmap I made back in March updated with (very rough and approximate!) progress bars showing what has been done and some of the recent tweaks to the roadmap itself.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) December 1, 2020
A lot has been accomplished, but still a lot remains to be done! pic.twitter.com/4zIK4aTNTh
次の主要なマイルストーンの主な機能は、イーサリアム1.0のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行、ETH1でのETH2ライトクライアントの導入、データシャーディングだ。これらはすべて、以前はフェース1やフェーズ1.5としてグループ化されていた。現在のロードマップでは、3つのステップがほぼ独立しており、並行して作業できるという認識だ。
さらに、後者2つの機能を実行すると、シャーディングされたデータ構造でロールアップをホストできるため、スケーラビリティが大幅に向上することになる。ロールアップは、計算プロセスをチェーンの外部で実行するが、オンチェーンでの証明を通じてその正確性を保証するというレイヤー2テクノロジーだ。このためデータシャーディングにより、ロールアップでの操作の余地が大幅に増加し、ライトクライアントとデータシャーディングが導入されることでトランザクション処理能力が大幅に向上すると期待されている。
ただし、ブテリン氏によれば、データシャーディングとライトクライアントの進捗はまだ50%以下であり、フェーズ1の構築には少なくとも1年はかかるとの見積もりと一致している。
ロードマップを公開した後、ブテリン氏はEIP-1559を迅速に実装するように促した。これは、プロトコルによって収集された取引手数料の大部分をバーンするという提案だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン