分散型金融(DeFi)で最も利用されている分散型取引所(DEX)ユニスワップが23日にバージョン3をローンチしたことで、ガバナンストークンであるUNI価格が急騰した。1UNIあたり35ドルの最高値まで上昇した後、足元では31ドル付近になっている。

ユニスワップチームは次のように述べている。

「本日、ユニスワップ v3の概要を発表できることに興奮している。5月5日にレイヤー1であるイーサリアムメインネットでのローンチを目標としており、その後すぐにオプティミズムでのレイヤー2での展開を予定している」

UNIの時価総額は約170億ドルで、ライトコインといった主要なアルトコインを凌駕し、XRPを猛追している。

UNI/USD 4-hour price chart (Gemini). Source: TradingView.com

UNI上昇の理由は?

UNIは過去2ヶ月ほどで継続して強さを見せているが、これには2つの大きな理由があるだろう。

一つはコインベースが米国で上場を予定していることで、取引所トークンやAMM(自動マーケットメーカー)の評価が高まっていることだ。ユニスワップは板取引を行わず、流動性プールを利用したAMMを利用してマッチングを行なっている。

二つ目は、DeFi全体への関心の高まりだ。ユニスワップだけでなく、同様にAMMを採用しているスシスワップなども上昇していることが理由だ。

仮想通貨データ分析のイントゥ・ザ・ブロックのアナリストは次のように述べている。

「UNIはバージョン3の期待感から35.2ドルの最高値を記録した。2021年のわずか78日間でユニスワップ は731億ドルの取引量と2億1900万ドル以上の手数料を記録した。トータル・バリュー・ロックド(TVL)は過去最高の52億3000万ドルに達した」

Uniswap statistics. Source: intotheblock

投資家やアナリストはユニスワップ のバージョン3によって、再びDeFiブームが起こる可能性があると指摘する。

Johnnyと呼ばれる偽名の投資家は次のように指摘する

「私の考えではユニスワップ v3がローンチされ、イーサリアム2.0が出れば、去年の夏よりも大きなユニスワップブームが起きるだろう。そのためにも、今から種まきが必要だ」

UNIはすでに優良株

UNIは、AMM市場での優位性と高い評価額により、多くの投資家にとってDeFi市場へのエクスポージャーを得るための有力な仮想通貨だ。

投資家は、UNIをDeFiとAMM市場を代表する優良資産と捉えている。

コンパウンドや、Aave、スシスワップと並んで、ユニスワップ はDeFiの4大優良トークンの1つと言える。

DeFiのアナリストであり投資家でもあるマイク・アバンド氏は次のように指摘する

「イーサリアム基盤の各プロトコルには、ベンチャードリブンの優良資産とコミュニティ資産の優良資産があるようだ。レンディングではCOMPとAAVE。取引所の場合はUNIとSUSHIだ。イーサリアム基盤のアートやゲームのプロトコルでも、同じような区分けが起こるのではないか」

ダップレーダーによると、DeFi市場のTVLは410億ドルを超え、比較的安定しているという。

この410億ドルのうち、47.5億ドルがユニスワップ によるもので、DeFi市場全体のTVLの10%以上が集まっている。

特にコインベースのIPOが近づくと、UNIの勢いが加速する可能性が高く、スシスワップやBNB、FTTなどの取引所関連の仮想通貨にもプラスの影響を与える可能性が高いだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン