ビットコインが通貨かどうかという問題には、限りない解釈の仕方が存在する―対マネーロンダリングの規制、課税、法的な議論に関してなど様々な見方がある。英国賭博委員会は、この問題に関して意見を明確にしている。

 

英国賭博委員会

 

英国賭博委員会は、文化・メディア・スポーツ省がスポンサーを務める独立機関である。2005年の英国における賭博規制の目的のため賭博法の下に設立され、宝くじ、カジノ、ゲームセンター、ビンゴ、賭博など、多岐に渡るギャンブルを取り締まっている。

 

仮想通貨に対する見方

 

2016年7月に委員会によって発行されたライセンス条件には、ライセンスを受ける者は適切なポリシーと、適切な現金及び現金同等物の使用に関する手順を踏まえなければならない点が記載されている。重大なことは、現金同等物の定義には、銀行為替手形、小切手、デビットカード、そしてビットコインのような仮想通貨も含まれている点だ。

ライセンスを受けた者は、マネーロンダリングのような犯罪のリスクを最小限に抑える能力が必要とされる。

 

2016年10月から新たなライセンス条件が有効に

 

2016年10月31日から新たなライセンス条件が有効化される。3ヵ月の間、賭博業者に対して新たなライセンス条件に慣れるための期間が設けられ、コンプライアンスを強化する機会が与えられる。賭博委員による指導を受け、ライセンス保持者は賭博法、及び、行動基準に関して知識を身に着けることが求められる。

賭博委員会は、ライセンスへの追加条件の付与や、ライセンス取り消し、罰金を課すことなどを含む広い執行権を有している。

 

他国もイギリスに追従する可能性

 

英国賭博委員会によってライセンス条件が変更されたことで、すぐにはビットコイン賭博を行うユーザーの数は増加しないかもしれないが、先例は確立されたことになる。世界中の様々な国々が、賭博セクターにおけるビットコイン規制を考えた場合、イギリスの先例に従う可能性がある。イギリスで賭博業者向けのライセンスが発行されたことによって、既に成熟した賭博産業を有するイギリスは、他の競合国との差別化が図れる可能性もある。