中東UAEのスタートアップインキュベーター「in5」は、同国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を封じ込め、パンデミックにかかわる感染確認数・死者数の推移を抑制する方法のひとつとして、ブロックチェーン基盤の取り組みを支援しているそうだ。ドバイのニュースサイト「エミレーツ24/7」が5月20日に報じた。

エミレーツ24/7によると、生体認証およびブロックチェーンを組み合わせた患者ID・健康情報管理プラットフォームを手がけるLiber Health(リベル・ヘルス)は、患者の識別に利用できる非接触型(眼球の)虹彩認証(IRIS認証)技術を開発したそうだ。指紋などを利用する接触型認証機器の場合、感染の可能性がある不特定多数の者が指先で触り感染源となる可能性があるため、IRIS認証の方が安全性が高いという。

同社は、感染の可能性がある者と接触した患者を追跡することで、早期の検疫措置を適用できるよう期待しているそうだ。また同技術の特許を出願中で、興味を示しているUAEの公共組織および主要民間企業と協議を行っているという。

監査可能な健康情報データで患者の命を救う

Liber Healthのサイード・アブラー・アーメド(Syed Abrar Ahmed)CEOは、同社プラットフォームを利用することで、監査可能な健康情報データの欠如に由来する医療過誤・医療ミスから、多くの患者を守れると信じているそうだ。また同社システムは、世界中のすべての電子カルテ(EMR)システムおよびヘルスケア・ソフトウェアと互換性を備えていると主張している。

ドバイ・メディア・シティのマネージングディレクター、またin5リーダーを務めるマジェド・アル・スワイディ(Majed Al Suwaidi)氏は、次のように述べた。

「才能のハブとなっているドバイでは、革新的なアイディアと高度な技能を持つ者が、特定分野のエコシステムで成功することが可能だ。

頭脳明晰な人々の中には、ウイルスに打ち勝つための救命機器やサービスを開発している者もいれば、専門知識を提供するため関係当局に積極的に手を差し伸べている者もいる」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン