米国のドナルド・トランプ大統領は、ステーブルコインの利回り支払いを巡り、仮想通貨市場構造法案の上院審議が停滞しているとして銀行を批判した。
トランプ氏は火曜日、自身のSNSであるトゥルーソーシャルで、「銀行がGENIUS法を脅かし、弱体化させようとしている。これは容認できない。我々はそれを許さない」と投稿した。GENIUS法は、2025年7月に米議会が可決したステーブルコイン規制法のことだ。
さらにトランプ氏は「米国は市場構造法案(CLARITY法案)を一刻も早く成立させる必要がある」と述べた。
「銀行は記録的な利益を上げている。我々は銀行が強力な仮想通貨政策を妨害することを許さない。この政策が実現しなければ、中国など他国に流れてしまう可能性がある。そのためにもCLARITY法案を進めなければならない」
トランプ氏は、仮想通貨企業を米国に呼び込む政策の象徴としてGENIUS法を強く推進してきた。同法はステーブルコイン発行体に規制の枠組みを与える一方、保有者に対して直接利回りを提供することを禁止している。
ただし、仮想通貨取引所などサードパーティプラットフォームは、ステーブルコインを保有するユーザーに対して利回りを提供することが可能となっている。
銀行業界団体は、これは法的な抜け穴だと主張している。そのため、上院で審議されている仮想通貨市場構造法案に、ステーブルコイン利回り支払いを全面的に禁止する条項を盛り込むよう求めている。下院は2025年7月、CLARITY法案を可決している。
トランプ氏は「銀行はGENIUS法の骨抜きを試みたり、CLARITY法案を人質に取るべきではない。銀行は仮想通貨業界と建設的な合意を結ぶ必要がある。それが米国民の利益にかなう」と述べた。

仮想通貨業界の幹部やロビイストは、CLARITY法案にステーブルコイン利回り禁止を盛り込む銀行側の要求に反発している。大手取引所コインベースは、この問題を理由に2026年1月、同法案への支持を撤回した。
その後、法案審議は停滞している。コインベースが支持を撤回したことを受け、上院銀行委員会は法案の修正審議を延期し、審議日程もまだ決まっていない。
銀行側の業界団体は、ステーブルコイン利回りが認められれば、資金が銀行口座からステーブルコインへ移動し、銀行システムの安定性を損なう可能性があると警告している。
仮想通貨業界と銀行業界の団体は今年、法案前進に向けた文言調整のためホワイトハウスで3度会合を開いたが、まだ合意には至っていない。
トランプ氏は11月の中間選挙に向けた政策成果として、この法案成立を目指している。仮想通貨関連ロビー団体は、業界支持候補を支援するためすでに2億ドル以上を調達している。
「上院は下院案の採用も検討すべき」
共和党のフレンチ・ヒル下院議員は火曜日のイベントで、上院が独自法案を前進させられない場合、下院版の仮想通貨法案を採用することも検討すべきだとの考えを示した。
下院金融サービス委員長でもあるヒル氏は、下院のCLARITY法案について「GENIUS法の文言を上下両院かつ超党派で再確認したもの」と説明した。
同氏は「ステーブルコインはブロックチェーン上の決済手段であり、投資商品ではない。また利息を支払う性質のものではないという点を明確にしている」と述べた。
「もし上院がここで明確な結論を出せないのであれば、下院で可決されたClARITY法案の文言を採用することを提案する。この法案には民主党議員78人の賛成がある。それを解決策として用いるべきだ」と語った。

