レイヤー2ブロックチェーンネットワークであるポリゴンを運営するポリゴンラボは7月18日、グーグルクラウドおよびアクセンチュアと協力し、Web3ベースのロイヤルティプログラムの統合がブランドにどのような利益をもたらすかについての論文を発表した。

3社は「The Future of Loyalty Programs with Web3(Web3によるロイヤルティプログラムの未来)」というタイトルの論文を公開。ポリゴンラボは、Web3技術がロイヤルティプログラムの変革を加速させるための安全でスケーラブルかつオープンなインフラを提供できることを強調した。

この論文では、ブランドがどのようにすれば業績不振のロイヤリティ・プログラムをユーザー・エクスペリエンスに重点を置いたものに変えることができるかを探求している。

体験に焦点を当てる

論文では、消費者がより意味のある共有可能な体験を求めていると主張。消費者は新しさとつながりを渇望しており、ユニークな体験に対してより多くのお金を使う意欲があると論じた。

「この体験駆動型経済は、企業にとって挑戦と機会の両方をもたらす。[…] 消費者のロイヤルティを高めるためには、ブランドはより機敏にオファーを適応させる必要がある」

論文では、Web3エコシステムが成熟し、ブランドがロイヤルティプログラムをよりスケーラブルでコスト効率の高いものに変革することが可能になったと論じた。

User experience journey for brands diving into Web3 loyalty programs. Source: Polygon Labs

すでにいくつかのブランドがユーザージャーニーにWeb3を組み入れ、より多くのエンゲージメントを促進していることを強調した。Web3プログラムに参加したブランドは、データインサイトの向上、新しいエンゲージメントチャネル、新しい収益源などの利点を得ているという。

プログラムにおけるブロックチェーンの利点

論文によると、ロイヤルティプログラムへブロックチェーン技術を統合することによって、セキュリティ、透明性、相互運用性の面で利点があるという。

研究者たちは「パブリックブロックチェーンの分散型の性質は、データが改ざん不可能な方法で保存されることを保証する」とし、ブロックチェーンの固有のセキュリティ機能がポイントや報酬を不正アクセスや詐欺から保護することができる主張した。ブロックチェーン取引の透明性がロイヤルティプログラムへの信頼を高めることにもつながる。

また、ブロックチェーンの相互運用性により、複数のロイヤルティプログラム間での柔軟性が向上する。これらに加えて、オンチェーンデータを使用して顧客理解にもつながるという。

トークン保有、NFT購入、分散型金融活動などのWeb3データを活用することで、「Web3データは、高価値のNFTコレクター、アクティブなイールドファーマー、特定のWeb3コミュニティに興味を持つユーザーを特定するために使用できる」と記した。

これらのデータは、よりターゲットを絞ったマーケティングキャンペーン、製品、サービスの作成に使用できると述べた。