ビットコイン(BTC)価格は過去3日間で6%以上の下落となっており、トレーダーの中からはさらに下落になるのではないかと不安心する声も出ている。
ビットコインの12,500ドルの高値からの反落の後、トレーダーは短期間では2つの主要なシナリオが展開するのではないかと予測している。テクニカルアナリストの1人は、ビットコインは16,000ドルに上昇するか、もしくは9,600ドルに下落する可能性があると指摘している。
16,000ドルか9,600ドルか
仮想通貨(暗号資産)トレーダーの「Byzantine General」は、ビットコインが16,000ドルまで上昇するか、もしくは9,600ドルまで下落する可能性があると述べている。
BTCの週間チャート11,500ドルを上回った場合、BTCが16,000ドルまで上昇する可能性が高まると指摘。一方で、BTC価格が10,500ドル以下のままであった場合、9,600ドルのサポートまで下落する恐れがある。
「シンプルにみてみよう。11,500ドルが鍵となるレベルだ。週次チャートが11500ドルを上待った場合は、16,000ドル。11,500ドルを下回った場合には、10,500ドルに。10,500ドルは19年の6000ドルのように何もしないかもしれない。そうなれば、9,600ドルが次の強力なサポートだ」
出典: TradingView XBT/USDの週間チャート
トレーダーが9,600~9,700ドルへの短期的な揺り戻しを予想する持つ1つの理由は、CMEギャップによるものだ。CMEのビットコイン先物市場は週末に閉じられるため、このギャップがビットコインの先物市場チャートにはギャップが発生する。
このCMEチャートで生じたギャップは短期間で「穴埋め」される傾向があり、そのため9600~9,700ドル近辺にあるギャップが埋められるのではないかとみられている。
「Mayne」と呼ばれるほかの仮想通貨アナリストは、ビットコインの強気派は短期的に11,700ドルを取り戻す必要があると指摘している。このレジスタンスを取り戻さないと、保ち合いのフェーズが長くなる可能性があるという。
「これは強気派として見たくはないものだろう。価格が偽の高値を付け、段階的に下落している。直近の動きは、明確に弱気派が再テストを行っているようだ。これが達成されれば、売りの速度が上がることになるだろう。強気派は11,700ドルまで値を戻してそれを維持する必要がある」
パウエル発言でもBTCは下落
ビットコイン価格は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長によるインフレに関するスピーチを受け、一時11,600ドルまで上昇した。スピーチの間、多くの投資家はパウエル議長の2%以上のインフレ容認発言が、ビットコインや金(ゴールド)に利益があると期待していた。
しかし、スピーチが終わって間もなく、BTC価格は11,600ドルから反落し、11,125ドルまで下落した。これはマーケットが価格を織り込む過程なのか、それともサプライズはないと判断したのかはわからない。
ビットコインと金の市場での売りは、さらに下降トレンドを強めることになり、ビットコインは8月初旬のレベルにまで下落している。
過去3日間のBTC価格の下落も短期での強気の見方を弱めている。このトレンドの変化がBTCを10,500ドル、さらに9,600ドルまで下落するという弱気シナリオに影響するかどうかはまだ不明だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン