ビットコイン市場最大の給与支払い管理サービスBitwageの創立者、ジョナサン・チェスター氏がCointelegraphにビットコイン市場の問題点について語ってくれました。

 

ビットコインの側面

ジョナサン氏によると、ビットコインには三つの側面があります:

  • 通貨としてのビットコイン
  • 取引方法としてのビットコイン
  • レッジャー(台帳)としてのビットコイン

そしてそれぞれの側面に独特で、また固有の問題点があります。

 

通貨としてのビットコイン

通貨としての問題点として主に三つの問題があげられます:

日常生活での使いやすさ、入手難度、そして安定性です。

ジョナサン氏は「(日常生活で)ビットコインをそもそも使える場面が少ない上に使えるとしても今のビットコインをPOS端末で使用するのが難しいです。ビットコインを日常生活で使えるようにするにはビットコイン用のデビットカードを普及させることが最優先するべき」などビットコイン普及率の問題を述べました。

さらに入手難度に関しては「日常生活で使用する通貨について誰もどうやって入手しているかなんて考えていません。ましてや買い物に行く前に両替のことを考えることなんてありえません。しかし、それらがビットコインでは必要な点が普及の妨げとなっています。給与などでビットコインが自然に手に入る環境が出来れば普及率も上がるはずです」と説明しました。

最後に安定性については「ビットコインはアメリカドルなどに比べると価値がとても変動しやすいです。そのため、貯金方法としては理想的とは言い辛いです。ですが、ベトナム、アルゼンチン、ベネズエラなどの国では比較的価値が安定しているので、それらの国ではビットコインの日常通貨としての使用を採用しやすいと思います。」と述べました。

 

取引方法としてのビットコイン

ジョナサン氏によるとビットコインを普及させる上で問題になる点がふたつほどあります。彼は「ビットコインの時価総額は65億アメリカドルなのに対してFXでは“日々”5.3兆アメリカドルが取引されています。今のビットコインの時価総額ではそれ程の市場を支えるのは無理です。それに加えて78%のビットコインは取引されずに貯金されている状態です(2012年調べ)。また、ビットコインの地理的市場はアメリカ、ヨーロッパ、中国などに比べてちょっとした取引(1万アメリカドル以下での取引)によってとても大きな影響を受けてしまいます。」と説明しました。

これらの問題を改善するにはまず小さい市場を導入することが大切だとジョナサン氏は信じています。そして、ビットコインの特性上、市場を創立する際に比較的楽に導入できるので少しづつ普及していくと思われます。

 

レッジャー(台帳)としてのビットコイン

ジョナサン氏は資産をビットコインでトークンとすることによるブロックチェーン上のレバレッジによってレッジャー(台帳)として使える可能性を提示しました。ただ、問題点もあり「トークンは清算手段ではありますが取引手段ではありません。例えば私が車のピンクスリップを持っているとします。これをサトシにトークン化し、友人に1万ドルでサトシを送るとします。しかしピンクスリップはいまだに私の手元にあります。この時点での車の所有者は誰でしょう?もし私が友人に無償でトークンを渡した場合は?もし私のアカウントがハックされてトークンが盗まれた場合は?など様々なケースがありますが、私がした調査によると裁判官はピンクスリップの所有者が車の所有者と言うと思います。」と様々な可能性を提示しました。

ジョナサン氏にとっての最大の問題は清算手段と取引手段としての分離です。そしてもし将来的に改善できなければ別のブロックチェーンサービスがそういったサービスを提供する可能性もあります。